研究紀要第1号 学校経営改善に関する研究 調査編 - 017/042page
(8) 地域の実態調査をどう考え、かつどのような活用をしているか。
(上段人員、下段%)
事 項 小 校 中 校 高 校 A B C A B C A B Cア 随時調査 117 118 113 53 46 53 66 57 57 83.6 84.3 80.7 67.9 59.0 67.9 77.6 67.1 67.1イ 毎年調査 21 22 21 24 26 24 17 27 26 15.0 15.7 15.0 30.8 33.3 30.8 20.0 31.8 30.6ウ 調査の要がない 1 4 1 1.3 5.1 1.3エ その他(数年ごと) 2 6 2 2 1 2 1.4 4.3 2.6 2.4 1.2 2.4小・中・高等学校とも調査の必要性を認めている。中学校において「調査の要がない」の1%については、「変動がなく、日常の接触が多い」、「家庭訪問でじゅうぶんである」ということで、地域性を無視することでなく、むしろ地域性が豊かな経営のように思われる。
調査期日については、小・中・高等学校とも必要に応じた「随時調査」が70〜80%をしめ、「毎年調査」については、中・高等学校が小学校よりも高率をしめしている。このことは広域化によるものと思われる。
次にその必要性や活用について、意見をまとめてあげることにする。
小学校
ア 生活状態の多様化に対処するため、情報収集を強化し、弾力的な経営が必要である。
イ 地域社会の急速な変動は、ややもすると学校と家庭の教育上の「みぞ」をつくりやすい、的確な実態は握の配慮が必要である。
ウ 地域の実情と要望をは握し、教育計画立案の資料とする。中学校
ア 教育計画の設定、なかでも学校行事、生徒指導の具体的な資料を得るため必要である。
イ 地域社会の要望を反映させた教育活動を展開するため必要である。
ウ 労務者家庭や転職家庭の増加などによる、流動的な地域社会に即応した指導体制を強化するため必要である。
エ 生活意識の変容調査などにより、日常生活の基礎資料を得る。
オ 職業構成、生活様式の変動をは握し、経営構想の改善をはかる。高等学校
ア 地域社会の学校に対する要望を聴取し、教育活動に反映させる必要がある。
イ 調査結果にふりまわされてはならないが、じゅうぶん尊重、改善資料とする必要がある。
ウ 学校の主体性のみを固執しないで、父兄の意見を反映させた、弾力的な経営が必要である。
エ 地域社会(特に父兄)の率直な意見を聴取し、教育理念と要望の調和をはかり、学校教育の信頼度を高める必要がある。
オ 年度始め父兄の意識調査を実施し、生徒指導上の重要な資料にする。
カ 関係機関の刊行物や、広報を重視し,具体面での活動にじゅうぶん反映させる。
キ 「現状と将来の展望」は握のための組織体制を強化し、進路指導の充実をはかる。
ク 末開発の広地域に立つ学校として、情報収集を重視し、その具現につとめる。
ケ PTA、同窓会などにより、人間性についての調査協力を求め、教育計画の基礎資料とする。