研究紀要第1号 学校経営改善に関する研究 調査編 - 029/042page
小・中・高等学校と進むに従い、共同研究の比率は低くなり、個人研究はその逆の傾向をしめしている。共同と個人研究の二本立てか、一本立てかについては、学校が進むに従い二本立ての比率は高くなり、一本立ては反対に低くなる傾向がみられる。
(6) 研究の中心的分野をどこにおいているか。
(上段人員、下段%)
分 野 小 校 中 校 高 校 A B C A B C A B Cア 学校、学年、学級経営 9 8 6 6 5 5 9 10 7 6.4 5.7 4.3 7.7 6.4 6.4 10.6 11.8 8.2イ 生徒指導 4 9 5 18 20 19 24 20 26 2.9 6.4 3.6 23.1 25.6 24.4 28.2 23.5 30.6ウ 教科等の指導 112 106 113 49 48 48 43 40 39 80.0 75.7 80.7 62.8 61.5 61.5 50.6 47.1 45.9エ 教材、教具の研究 8 8 11 4 3 4 9 14 12 5.7 5.7 7.9 5.1 3.8 5.1 10.6 16.5 14.1オ 一般的な教養 1 1 1.2 1.2カ その他 (ア) 特別活動 2 3 2 1.4 2.7 1.4(イ) 学級指導 2 3 1 1.4 2.1 0.7(ウ) 経営組織の活動 2 2 1 1.4 1.4 0.7(エ) 教育機器 1 1 1 0.7 0.7 0.7(オ) 道徳教育 1 2 2 1.3 2.6 2.6
研究の中心的分野について、比率の高いものをあげると次のようになる。
小学校 ウ
中・高等学校 ウ、イ
小学校においては、「教科等の指導」が80%をしめ、「生徒指導」は3%である。中・高等学校においては、「教科等の指導」が5O〜60%で、「生徒指導」が20〜30%になる。この「教科等の指導」と「生徒指導」の関係をみると、小・中・高等学校と進むにつれ、「教科等の指導」は低くなり、「生徒指導」は反対に高くなる。このことは、現状からみて当然のように思われるが、注釈を要する問題と思われる。
小学校においては、日常生活(生徒指導)を基盤とした教育活動を展開しているので、生徒指導を軽視しているのではなく、実態に即した教科等の指導方法・技術の研究とみるべきであろう。
高等学校においては、ひとりひとりの個性は握に立った教科等の指導を行なうという、教育本来の姿として、生徒指導をとりあげているものと思う。
学校・学年・学級経営については、小・中学校より高等学校の比率が高い。経営を組織成員の協力活動により、共同の目標を達成させる作用とみるとき、指導分担が分化されるほど重視されるのは当然と思われるが、小・中学校においてもさらに検討を要することであろう。
その他として、(ア)から(オ)まで5項目あげられているが、いずれも重要な分野と思われる。