研究紀要第2号 教授組織に関する研究 実践集 - 011/047page
9 協力組織活動
計画−実践−評価のサイクル的な教育活動を学年、あるいは学年団を基盤として、協力しながら継続的に行なうことである。
計画、すなわち単元指導計画は、学級担任による教育の長所を残しながら、教師の特性を生かした役割・分担により、集大成の教育効果を期待できるようにする。
その作成は、勤務時間内に行なわれるようにしなければならない。そのためには、各学級教科授業時数配当にさきだって、学年、または学年団数師の研修時間を一定時に勤務表に位置づけられるようにする。
教材構成にあたっての教材研究は、制約された時間内で、特に協力して行なうことからして、基本的な構想について、共通理解とその徹底をはかっておく必要がある。
その一例をあげれば、内容を「ねらい」に即して、基本的観念、あるいは大意と、それを支えている要素、ならびにその各要素の相互関係を分析的にとらえ、子どもの発達段階、経験に応じて総合し、主体的に消化しやすいように過程を組むことになろう。
教授過程と併行して、教師の役割・分担、集団の形態を考えることになる。教師の役割・分担とは、1時間単位、あるいは教授過程の段階ごとにTL(主となる教師)、ST(専門的に協力する教師)の立場を受け持つことである。その立場は固定したものとは考えないようにし、ともに主体性を尊重するようにしたい。
集団の形態については、大集団(2学級以上の合併)、中集団(単位学級程度)、小集団(1学級の1/2以上の分割)に再編成することである。教師の役割・分担とのかかわりあいは、一般的にみて、問題は握や「まとめ」の段階は、大集団による教師の協業が考えられるだろうし、理解や「たしかめ」をはかる段階では、特に個別化の配慮が必要なので、小集団による教師の分業が考えられるだろう。
以上の構想を図示すると次のようになる。