研究紀要第2号 教授組織に関する研究 実践集 - 020/047page
各教授組織の中でとりあげられている教科について、多いもの4教科を示したものである。いずれの型でも技能教科でしめているのは、形式的な授業時数の平均化、性別による一般的なみかたからのようである。もっと組織体制として、子どもの集団や、教師の特性などを吟味し、本質的な授業の展開として、検討する必要があると思われる。
第22表 学級担任制の改善
事項 現実の実情に合っているので、今後も続けていったほうがよい 何らかの改善が必要である 低学年は現在のままでもよいが、高学年はなんらかの改善を要する その他 % 1.5 17.4 75.8 5.3 学級担任制についての考えであるが、表中の「その他」の未定を除くと、現状のままでよいというのが、管理的立場の教師、男子教師、女子教師の三者同数の1,650人中25人の1.5%である。このことはなんらかの手だてによる機構改善を考慮しているものと思われる。しかし「現在の学校での実施については、どうであるか」ということになると、賛成が50.8%、不賛成が45.8%とほぼ同率になっている。このようなことは、いざ実施となると、多くの障害があることを示していることと思われる。次にその理由を要約してあげることにする。
(1)小規模校における少人数教師では、組織構成が困難である。
(2)職員定数が少なく、かつ、得意(専門)教科のバランスがとれていない。
(3)子どもの発達段階からみて、複数教師の担当は性格形成に不安がある。
(4)担任学級に対する関心と希望に自信がもてなくなる。
(5)馴れた環境条件・習慣を変えるのに時間を要する。
12 研究のめあて
機能的構造としての学校組織を明確にし、現在の学校経営の反省に立って、時代的な教育活動の展開を構想し、本県の実態から教授組織の改善をはかることにする。
その研究のめあてを「教育活動の効果的・効率的な実践のための教授組織」とする。次に具体事項をあげることにする。
(1)教師の特性を生かした複数担当での交換授業
(2)弾力的な集団の取り扱いによる合併授業
(3)教育機器の導入と体系化・個別化の複数授業
(4)小規模校における協力組織による授業
実験学校による実際的な研究
13 吉井田小学校における教授組織
福島市立吉井田小学校(第2年次)
校長 安田正吉(富塚終吉)福島市立吉井田小学校は、福島市西方の進出地域街で、福島駅よりバスで13分、土湯街道沿いにある。児童数470名で、特殊学級を含めて14学級の学校であり、県下小学校の23%をしめる規模の学校である。児童の生活環境は、公務業26%、会社従業24%、農業19%、建設・運輸業11%、工業8%、商業6%、その他6%と生活指導に多様性のある地域構成である。
学校経営における教職員の構成は、校長を含めて17名であり、男女の比率は8:9で、一般的