研究紀要第2号 教授組織に関する研究 実践集 - 029/047page

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(2) 3年題材とその取り扱い

   題材 体操、器械運動(とび箱) 「腕立てとび越し(開脚)」

器械運動 (とび箱)

器械運動は、個人差が著しく現れる教材である、従って、できる子どもにとっては、すこぶる興味をもつが、できない子どもにとっては、ますますいやになり意欲を失ない勝ちである。また高さや長さがあるうえに、転回したり、とび越したりするので、恐怖心をもたせることがある。このようなことを除くには、低いものから高いものに、簡単なものから複雑なものにと段階をふんだ過程で、程度(能力)別の指導がたいせつになる。

そのためには、教材分折によって、段階的な教授過程を想定するとともに、体操との組み合わせによって、大集団での自己整調をはかる必要があろう。

その具体的事項をあげると次のようになる。

 ア とび箱を縦、または横に置き、助走して両手をついて開・閉脚でとび越させる。
 イ とべないものは、馬のりになったり、とび上がったりして、だんだんとべるようにしむける。
 ウ とび越すことを前提として、踏み切り、手のつく位置、着地の要領を会得させる。
 エ タイミングのよい開脚の腕立てとび越しをできるようにさせる。

その授業の展開には、程度別の3つのグループ(小集団)に分け、個別的指導をすることになるが、全過程をとおして固定しないで、向上の度合いによって編成替いをする。教師の役割・分担は、TL、STといった各立場で分業・協業をすることになる。

(3) 題材構成

@ 目標

項目 体  操 腕立てとびこし
体力 1.跳躍運動によって、しゅん発力、調整力を養なう。
2.部分的運動によって、からだの柔軟性を強める。
1.調整力(協応性・巧ち性)を養なう。
2.筋力(跳躍力)を強める。
技能 1.簡単な体操をとおして・部分的・全身的に極限まで動かすことができる。 1.助走−両足ふみ切りで50〜60pくらいのとび箱を腕立てとぴ越しでとぶことができる。
態度 1.運動の要領を理解し、まじめに運動する態度を身につける。 1.友だちの演技を見る態度を身につける。
健康安全 1.運動する場所を整備し、安全に用具を配置することができる。 1.運動後のからだを清潔にすることができる。

A 児童の実態

1・2組合併で86名、男58名、女48名である。

一般に身体的活動の欲求が強く、戸外運動を好み、自発的行動が現われ、危険をおかして、スリルを楽しむ傾向がみられる。また仲間といっしょに行動することが多くなり、共通の目標で協力しあい、グループの中で認められようとする意識が強いようである。不安を克服しようとする努力もみられるようになり、男女の性別も意識しはじめている。男女の差はほとんど見られないが、2・3の肥満児が技能面で劣って


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