研究紀要第2号 教授組織に関する研究 実践集 - 044/047page
蒸発させると何がのこるか ○水酸化ナトリウム水がのこるだろう。 × ○白いつぶがのこった。
食塩の結晶である。
○食塩水になっていたのだ。
○ 結果を問題と対比する 6.酸性の液とアルカリ性の液をまぜ合わせて、中性になった液は、液の中でどんな変化がおきていたでしょうか。
7.中和によってできたものは、食塩水だろうか。挙手
応答態度でみる
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37/37発展的意欲をもつ 8.塩酸に水酸化ナトリウムを加えてできた液が酸性のときも、食塩水ができているか、について調ベることにする。 緊張感でみ
34/37A 段階的な評価
ア.問題意欲をもつ
前時のうすい塩酸と水酸化ナトリウムのうすい液をまぜ合わせて、中性の液をつくった実験図をしめしながら中性液をとりあげる。何か疑問や問題になることはないかについて話し合う。この間にT2は、児童の発言を整理し、補足してOHPの準備をする。発言そのもの、あるいは発言内容を整理し、即時に提示されるので、課題は握の焦点化がはやめられ、緊張感が高められた。発問に対する反応内容の即時提示は、複数授業の特色と思われた。
イ.問題解決の構想をたてる
「水溶液の中でどんな変化が起ったのか」を確かめるための予想を立てる指示と援助であるが、モデルを使うことにする。T1の「塩酸のとけたものと水酸化ナトリウムのとけたものとの関係においてどうなった」のかの指示で、児竜は次のように反応する。
ア)塩酸のとけたものに水酸化ナトリウムのとけたものがまじっている。
イ)半分づつまじり合って、両方の性質を消し合っている。
ウ)塩酸のとけたものが、水酸化ナトリウムのとけたものと消し合って、別のものができている。T2は、あらかじめ準備していた資料をOHPで提供し、必要に応じ体系づけの補説・誘導をする。
T1によって「まじり合っている」、「別なものができた」の考え方にまとめ、協力してひとりひとりの学習成立を積極的にするため、実験・観察カードに予想を立てきせる。下位のものには、混合と溶解の思考モデル化は困難かとも思われたが、教師の援助に余裕があり、それなりに表現ができたようである。このような個別化の過程をとれることは複数授業でこそ可能と思われる。
どうして確かめるかについては、「なめて味を調ベる」という発言がでる。安全ということから問題だということになる。T2が2〜3の中性水溶液の性質をOHPで確認させる。結局別な方法はないかということになる。T1により熱することによりでてくる液体と、蒸発させて残ったもので調べることに方向づけられ、T2により図解資料をOHPで提示しまとめさせる。
ウ.実験・観察によるたしかめ
T1による「熱してリトマス紙を近づけた結果はどうですか」の発問について、その反応は次のようであった。
ア)変化がみられない。
イ)塩酸ではなくなったんだ。
ウ)別な液になったんだ。それでは「蒸発させて何か残りましたか」については、
ア)白い粉のようなものが残った。
イ)水酸化ナトリウムの粒かもしれない。
ウ)食塩の結晶のようだ。ということになる。スライドガラスにとりださせる。T2は顕微鏡を準備し、その操作を援助し、確かめさせる。「食塩の結晶だ」ということになる。しかし中には疑問をもつものがあり、再度確