研究紀要第3号 福島県診断標準学力検査問題報告書 国語科 - 007/060page

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思う。

問題三
かたかなの読みをみる問題
学習指導要領によれば、一年生の段階では。かたかなのだいたいを読むと示されている。そこで一年の教科書で取りあげている教材の中にでてくるものの中から、児童の日常生活に関係のふかいと思われることばをえらんで提出した。
正答率の低いピアノとキャラメルについて分析してみると、1の誤答者の60%が「ピヤノ」で、3の誤答者の18%が「キヤラメル」である。
これは、普段つかっている発音とか、ことばが、児童に強い影響を与えているということである。ピヤノといい、キヤラメルと表記してキャラメルと発音することがそれである。また拗音の表記の指導と関連してくるものと考える。

問題四
漢字を読む間題
特に正答率の低いもののみをあげると

問題
8. 正しい
9. 百円
13. 王さま
正答率
61.4
74.7
65.1

「正しい」の正答率が61.4%は意外であった。
「しょう」とかなをふったものが、全体の約25%もいたことにはおどろいた。「ただしい」という読みは、光村発行の教科書では一の上、東書発行教科書では一の下にでている。
「百円」を「しゃくえん」とかなをつけたものは、誤答者の約45%をしめる。「せんえん」としたものが若干見受けられた。「しゃくえん」というよみがなは、地方での発音どおりになってしまったものと考えてよいだろう。
「王さま」は「おおさま」が予想外に多い。

oおおきい(大)−おうきい
oおうさま(王)−おおさま
oとおる(通)−とうる

こどもたちが割合混乱しているよみである。長音と連語のちがいなどしっかりふまえて指導することが大切ではないだろうか。
なお15字提出した漢字のうち、1年配当漢字7字、繰下げ漢字8字とし、訓読みを中心とした問題構成である。提出した漢字は教科書の中でどの位の頻数で取り扱われているかを示すと次のような表になる。
頻数
・印は2年よりの繰下げ漢字

(2) 4 読む・語句

問題二
例文にもっとも適当する語句を選ぶ問題であるが、1の「しごとがどんどん−はかどりました。」
としたのは、わずか46%で、受検者の半数が「しごとがどんどん−はじめました。」と「I」をえらんでいる。しごとがということばに注目すれば、はかどりましたということばに連結することが理解できると思うし、直前の語句の「どんどん」という副詞に注意すれば、はじめましたということばには連接しないことがわかるはずである。

問題五
同義語の問題で、3問とも低い正答率を示しているが、わけても「3」は34.6%ともっとも低い。同義語や反対語の理解ということは、文脈の中での語句の理解ということには欠かせないものである。
「へいきで」の同義語としてえらんだものとして、(ア)いきおいよく、(ウ)まちがわないでが多い。いずれも誤答であるが、両者をあわせると、全体の約50%にもなる。
語句の定義ということは、一年生の発達段階からみて、少々むずかしいかも知れない。一年から二年にかけて語いが急激にふえることを考えれば、注目すべき領域であると思う。低学年の語句指導


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