研究紀要第3号 福島県診断標準学力検査問題報告書 国語科 - 008/060page
は、日常生活に必要な語句を理解し、その使い方を正すことに目をむけられているから、用例、用法などを中心に文脈の中でいきいきとことばをとらえさせると同時に、その理解を確実にする方法として、語の意味をはっきり説明できるように訓練しておくことが望ましい。
(3) 2 読む・文・文章
この学年でもっとも重点的に指導する内容といえば、「書いてあることのだいたいや、筋について考えながら読むこと。」とされている。何が、どうして、どうなったということをしっかりおさえることである。
問題二
文章の内容をつかむ問題であるが、58.6%と正答率が低い。
けんちゃんは、ぼくたちの くみで、いちばんちいさいです。
でも、かけっこは いつも 一とうです。
どうして はやいのかなあと、みんな けんちゃんの足をみました。
べつに みんなの 足と ちがったところはありません。1.けんちゃんの 足は くみで いちばんちいさいこと。
A.けんちゃんは くみで いちばん かけっこが はやいこと。
3.けんちゃんは くみで いちばん よいこどもで あること。
4.けんちゃんの 足と みんなの 足のこと
誤答のうちで、1に○をつけた児童がもっとも多い。これは、冒頭の文の「けんちゃんは ぼくたちの くみで、いちばん ちいさいです。」というところにとらわれてしまったのではないかと思われる。「○○は○○です。でも○○です。」
といった文形をとらえればわかることであるが、読解指導でぜひとりあげていきたいことである。
ところで予備テストの段階での正答率は43%であった。
問題四
主述関係の理解をみる間題である。
1の問の45%の正答率は、他のものに比して低い。
うちの 子うしは、白とくろの まだらです。もう つのが はえかけて います。
…(以下略)
1.子うしの いろのようすを ぶんの なかの ことばを つかって かきなさい。
2.以下略
この1の問に対して、「白とくろ」とだけ答えたものが、誤答者の大部分である。出題の意図は「白とくろのまだら」と答えさせることをねらったのである。しかし、「まだら」ということばの意味がわからなかったのかも知れない。A出版の一年の教科書の教材の一節であるので、むずかしい要求ではないと思う。
問題六
文章をくわしく読み、場面をとらえるというねらいをもつ問題。
1.よし子さんとまさるさんは、どこからかもつれっしゃをみましたか。
れっしゃの中から
イ いえの中から
ウ ホームから
この問に対して、全体の三分の一の児童が「ウ」ホームからと答えている。
「ホームに、れっしゃがいきおいよくはいってきました。」の昌頭文が、まず児童の意識につよくはいってしまったと思われる。「のりこんで……まどからそとをみました。」という文をよみとれば、「ウ」の項目には反応しないのではないか。
だれが、どこで、なにをということをいつでも考えるようにさせたい。
2の問の、かもつれっしゃにつんであるもので、二人が見たものは何かということでは、「あ、うしがのっている。」「あっ、バスも。」という