研究紀要第3号 福島県診断標準学力検査問題報告書 国語科 - 016/060page

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には、会話のしめる割合が多い。また教科書で取扱う回数もきわめて多いことから考えて、正しい文を書くというねらいを達成させるためには、ゆるがせにできない点のひとつになろう。

第二点は文章の推敲である。正しく、よくわかる文章をかくためには、この推敲は大きな基盤をなす。たゞ二年の段階では、推敲の入門期の時期でもあるので、文・文章のあやまりに気づかせることだけにとどめておきたい。
この内容の正答率は47%で、文・文章の領域では最低であった。

〔2〕 各領域の考祭

(1) 3 読む・文字

学習指導要領の内容Bの(2)ア・イの項目をうけて作問した領域である。

項目
かたかなを読む
漢字を読む
正答率
95.4%
82.6%

総体では高い正答率を示している。特にかたかなを読む力は相当ついていると見てよいのではないか。これはかたかなを使用することばは、ある一部に限定されていることによるとも考えられる。ただ、濁音、半濁音の問題が一問もなかったことは手おちであった。

問題二
1から5までは一字、6から10までは二字、学年配当漢字が6題、直上学年からの繰下げ漢字が4題という構成である。

問題
正答率
1
○朝
96.1
2
○声
95.0
3
○問
82.1
4
△鳴
82.9
5
△通
73.7
6
○汽○車
92.7
7
○小○鳥
84.2
8
○自○玉
86.1
9
△電○気
85.2
10
△教△室
89.0

いずれも高い正答率を示しているが、問題となるような点を少しあげておきたい。「通る」のよみであるが、誤答者の四分の一が「とうる」、四分の一が「とる」としている。一年生の「王さま」を「おおさま」としたものが多かったことを指摘しておいたが、指導上考慮しなければならないことのひとつにあげておきたい。
(注)○は学年配当漢字
   △は繰下げ漢字

問題三
簡単な漢字の音読み、訓読みの問題

 
80.1
89.0
86.4
84.2
63.0
83.1

この表をみればわかるように「家」にのみ音読みと訓読みの結果に差がみとめられる。家という漢字は二年の配当漢字であるので問題はないが、「いえ」の訓読みは、各社とも二年の教科書の中の教材で取扱っているのに対して、「か」という音読みは、各社まちまちであって、二年で取扱っているもの3年で取扱っているものと一定していない。これが上記のような差を生んだのかも知れない。

現在では、「家庭の日」という社会行事がさかんにおこなわれていて、こどもの言語経験の中にはいりこんでいるだろうと予想していただけに、いささか意外な結果であった。

(2) 4 読む・語句

問題一 反対語の問題

 
問題
正答

正答率

1
2
3
つよい
とじる
下きゅう生
よわい
ひらく(あける)
上きゅう生
88.8
73.6
39.8

形容詞、動詞、名詞の順に正答率が低くなっていく。特に名詞になると極端にわるい。
「とじる」の反対語として、誤答者の約半数が「とじない」と解答している。「……ない」ということばは、意味的には反対語であっても、語としては対比させた表現ではない。だからそういう表現をするということは、意味はわかっていても、ことばを使いこなすことができたとはいえない。この意味において、ことばの意味の理解と表現を訓練する初歩的なものとして、反対語の指導を徹

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