研究紀要第3号 福島県診断標準学力検査問題報告書 国語科 - 017/060page

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底したいものである。ほかに、「あく」「さます」が相当数見られる。

文法的解釈をすれば、「閉ず」に対しての「あく」であって、口語的用法ではない。
「下きゅう生」は、無答数が多く、それに準ずるものを入れると、全体の約30%にもなる。これは、「下きゅう生」ということば自身がむずかしかったことも考えられる。小学校で、低学年、中学年、高学年ということばが多く使用されていることから、下級生、上級生ということは、この学年の児童からは、少しはなれていることばかも知れない。

誤答例を見ると、「同級生」「ともだち」「大きい人」ということばがでてくるが、これは、低学年のこどもは、自己中心的な考えをもつことが強いので、このようなことばがうかんでくるのかも知れない。

問題二
語句の定義的な説明の問題
1の「たずねる」の意味として、「おしえる」に誤答が集中している。これは、みちをたずねるという状態が、道について何か話していることまではわかっても、それは「きく」であるのか、「おしえる」であるかがまだはっきりわからない状態なのであろう。こういうことばを指導するときには、はっきり場面を設定して、その中で意味を確実につかませ、まぎれないようにしておかなければならない。

3の「がいこく」は正答率が60%をこしているので、理解そのものには問題はないが、誤答が「おおきいくに」「いったことのないくに」に二分される。日常生活で外国ということばを耳にする機会は、外国に行くなどというと、アメリカとか、ヨーロッパ諸国といった大国、または、遠いあこがれの国、そこにいくのには容易ではないという印象が、こどもたちには強い。それがこのような結果になってきていると見てよいのではないか。

以上のように、こどもたちは、ことばを自分の生活経験の次元でとらえるとすれば、教師は「それの理解を確実にし、その使い方を正す」ために、こどもの実態をよく知り、こどもたちがひとつの語に対して、どんなとらえ方をしているかを、察知して、それに対して対策を考えておくことが必要であろう。

(3) 2 読む・文・文章

読解指導の領域である。指導書には、「文章を読むときには、ばくぜんと文字を追いながら読むというのではなく、書いてある内容をしっかりと読みとらせるようにしなければならない」とのべている。
o書いてあることの概略を読みとる。
o時間的な順序や場面の移りかわりを考えながら読むこと。
o表現に即して読みとろうとすること。
これらが二年生の読む内容とされている。作問もそれをふまえたつもりである。

問題一
内容をつかむ問題
問題文は省略

2.たんぼがうすぐらくなったのはなぜか。
 ア はくちょうがとんできたから
 イ 雨がふりそうになったから
 雲のかげがとおったから
 エ ゆうがたになったから

ここでは、「なあんだ、雲のかたちのことか。」という会話のところに着目させることによってできる問題である。誤答者の大部分が(ア)に集中したことには考えさせられた。「あ、はくちょうがとんでいく。」という会話が、児童には強く印象づけられてしまったのではないか。

3 いさむさんがみたものはなにか。
 ア はくちょう
 イ 雲のかげ
 はくちょうのかたちをした雲
 工 あかるい空

ア、イに反応したものが割合に多く見られる。
この問題は、問2との関連において提示したもの

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