研究紀要第3号 福島県診断標準学力検査問題報告書 国語科 - 018/060page
で、2ができれば3も当然できなければならない。無作為に100部抽出して分析した結果
(1)問2、問3とも正答のもの 47
(2)問2が正答で問3はア 16
(3)問2が正答で問3はイ 8
(4)問2がア 問3がア 10この数字を見ると、(2)の16名は、雲のかげがとおったからとわかりながら、それをはくちょうにむすびつけている。読みの浅さが原因であろう。(3)の8名については、いさむさんの見たものは、雲のかげとしたところは一応うなづける。それは、設問に少々無理があったと見ることができるからである。即ち、空を見あげてみたものはとすれば、このようなまちがいはおきなかったとも考えられる。(4)の10名であるが、誤答ではあるが、問2の設問でアとすれば、問3でもアに反応するのが当然である。
問題六
指示語の問題
問2の正答率が32.9%と以外に低い結果である。
2.Aの「その」はつぎのどれをさしていますか。
ア ふくろがつんであった
イ しおがはいっていた
ウ 池のなかにたおれた
水のなかにたおれた
誤答分析の結果は、(ア)の項目に反応したのが全体の約20%、(イ)が約40%、(ウ)が約5%であった。ア、イの内容の文は、指示語「その」のあとにあるものである。指示されることばが、指示することばのあとにくることもないわけではないが、小学校低学年段階では取扱っていないと思う。指導上留意しなければならない事項にはいるのではないか。
(4) 1 書く・文字
問題一
ひらがなをかたかなになおす問題
正答率が割合に高く、二年終了の段階で、かたかなを書く力は相当ついているものと判断してよいのではないか。たゞ問4の「ちゃんねる」の正答率が、他よりひくく78%であるので、誤答の傾向を見ると、
○チヤンネル
○チャンねる
○チャンねル
○チゃンネルという表記が相当数みられた。拗音の表記の不完全、ひらがなかたかなまじりの文、それに字形のくずれなどが多い。一、二年の段階での正確な指導がのぞまれる。
問題二
○印は学年配当漢字
問題 正答率
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
○考 ○紙 ○読 ○明 ○校○長 ○夏 △顔 ○歩 ○心 ○北○風 ○書 ○道 ○海 △自○分
83.2 60.3 77.3 79.1 71.2 77.8 54.6 69.4 91.4 78.4 75.0 58.3 74.0 73.2
△印は繰下げ漢字学年配当漢字がほとんどなので、正答率も予想した以上に高い。
でも配当漢字であるにもかかわらず、「道」が58%と低いのはうなづけない。
「顔」は三年からの繰下げ漢字であるので、なかなか理解できないのであろう。誤答の中で、もっとも顔に想起不完全の字が多かったのはそれをものがたっている。
総じていえることは、字形の乱れ、点画の不足がめだつということである。採点の際に、どの程度までの乱れを許容するかは、文部省の学力調査のときの資料を一応基準とした。
点画の不足、想起不完全の例は次のとおりであ