研究紀要第3号 福島県診断標準学力検査問題報告書 国語科 - 019/060page
る。
学習指導要領によると、漢字の書くことのできる字数というのは、第二学年までに配当されている漢字を主として140字ぐらいとしめされている。その140字はどの漢字をさすかはしめされていないので、使用している教科書や児童の実態などから、めやすをきめておくべきである。しかし、これは一学年のみではきめることはむずかしい。六学年の見とおしの上にたって考えていくべきであろう。o明るい−赤るい
o道ろ−童ろ
o自分−自文この例は、いわゆるこどものあて字といわれるもので、苦しんだ末にやっと生みだした表記でもある。いわば、同音の文字を仮借したあやまりともいうことができよう。漢字には音と形と義があり、このうち義をわきまえないためにこのような表記になるのである。
o明るい−光るい
o読む−話むこれらのあやまりもわずかではあるが見られた。
判断に苦しむところであるが、光るところは明るいということで、こどもの体験上では両者を同じものであるとうけとめているのであろうか。また読むということは、二年の段階では声をだして読むことにつながる。それが話すことと何か関連がありそうである。いずれにしても、漢字に対しての意識はいろいろあるということを、漢字の指導過程の中で生かしていきたいものである。
(5) 6 書く・文・文章
問題一
句点のうち方の問題で、難易度は一年とあまりかわらない問題を提示した。
一年 二年 会話文 59.6 56.3 平叙文 69.7 62.6
この表からみると、一、二年共に会話文のはいった文章に句点をつけることは苦手のようである。
問題文の中で「……できますよ。」ということばをつかっているので、こどもは少々抵抗を感じたのかも知れない。
句点の指導は、作文やノート指導とあわせてやることが効果的である。文を書いたら「。」をうつという習慣をつけることがたいせつで、そのためには、一、二年で徹底して指導することが必要であり、教師もまた板書や掲示に「。」をつけることを忘れてはならない。
問題二
会話の部分に「」をつける問題
学習指導要領では、「」の使い方は三年で一応完成ということになっているが、二年では使い方を理解して、正しく使うようにするとしめされていることから、指導には十分意を用いたい。
よし子さんが いって きます。というと、おかあさんは じどうしゃに気をつけてね。といいました。 o「いってきます。」47.3
o「じどうしゃに気をつけてね。」51.4両者とも正答になったものが、約40%しめている。残りのおのおの約10%は一方のみが正答ということになる。
ところで誤答の傾向をみると、
「よし子さんがいってきます。」
「おかあさんは、じどうしゃに気をつけてね。」
としたものが多くみられた。
これらのこどもたちには、基本文型の指導などをとおして、なるべく早く見わけるような能力を育ててやることが必要である。「○○は○○だ」という基本文型さえおさえたならば、正しく指摘することが容易ではないだろうか。