研究紀要第3号 福島県診断標準学力検査問題報告書 国語科 - 028/060page

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の二つの意味のとらえ方であるが、前者の正答率が45.9%、後者は44.3%で、両者とも50%をわっている。
1の誤答反応を見ると、「ととのえる」という意味にうけとめたのが、誤答者の約60%である。
2の方では、「つんとしている」という意味と考えたのが、誤答者の約45%にもなる。

読解、読書の領域では、文脈の中でその語句の意味を解釈していくことによって、文章の内容を正しくは握できるということを考えれば、三年ころから、この方法に目をむけさせるように、指導の手をさしのべるようにしたいものである。

(3) 2 読む(文・文章)

文章をくわしく読むために、要点をしっかりよみとるということ、文のきまり的なものを中心として問題を作成してみた。
学習指導要領の内容の「要点をおさえて読むこと」「表現に即して読みとろうとする習慣をつけること」「語句のかかり方に注意すること」「文と文との接続の関係に注意すること」等の内容を柱としている。

問題二
要点を読みとる問題
きんぎょを中心にして展開されていく文章であるので、まず、きんぎょの状態をたずねる設問をした。

問題文は略
1.@のきんぎょと、Aのきんぎょは、それぞれどんなきんぎょのことですか。
  @きんぎょ  39.3%
Aきんぎょ  33.4%
ア すべてのきんぎょ
イ みせさきのきんぎょ
ウ かってもらったきんぎょ
エ とくべつのきんぎょ

誤答としては、@にはイが多く、誤答者の80%が反応を示している。初めの段落の前半の部分に、きんぎょやのことがのべられているので、児童はその冒頭の文にひきっけられてしまったわけである。
Aではウに反応したものが、誤答者の約50%、エとしたのが約30%いる。文章では最後の段落でのべている部分であり、家に帰ってからの会話の中にでてくるきんぎょであることから、ウとしたものであろう。

問題四
こまかい点に注意して読む問題

お天気のよい日でした。いっぴきのいぬが、おいしそうなにくをくわえて、橋をわたっていました。
ふと、下を見ると、川の中にも、にくをくわえたいぬがいます。
@いぬは、Aそのにくもほしくなっておもわず「ワン。」とほえました。
すると、にくは川の中ヘポチャンと、おちました。
1.@のいぬは、次のどのいぬをさしていますか。
   まる木橋の上のいぬ。
イ 川の中にうつっているいぬ。
ウ 川におちたいぬ。
エ 川であそんでいるいぬ。

44.1%の正答率である。誤答のほとんどはイに反応している。このことは、指示語の直前の文にのみ注目して、全体をみとおして考えるという力が不足している結果ではなかろうかと思われる。
文章を正しく理解していくための手段として、接続語、指示語のはたらきを知ることが大切であるということを、こどもに指導したいものである。

問題六
修飾語、被修飾語の問題

 
正答率
1
2
3
68.7
70.5
28.5

3.きれいなちよがみで、ツルをおりました。
この文の、きれいなという修飾語は、どの語を修飾するかということであるが、28.5%と他との


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