研究紀要第3号 福島県診断標準学力検査問題報告書 国語科 - 039/060page

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もっとも重要な分野の一つであるが、正答率は低くなっている。「段落の区切り」については、前回の学力テスト問題で取り上げた問題文と、まったく同じ問題文でテストをしてみたわけであるが、正答率はほとんど変らず、前回の43.4にたいして、今回も44.6であった。内容の分析については、すでに当教育センターの前身である教育研究所の紀要55で述べていることと重複するので省略する。また「段落の要点」については、「段落の区切り」が正確にわからないためもあってか正答率が極端に低い。まずは、日常の学習指導の中で、段落分けをする目的や基準・方法を十分に指導し、それから要点は握の指導へと発展させていかなければならない。

(4) 書く(文字)

4年では、この領域の正答率が最も低いわけであるが、これをさらに細かく分析してみると、同じ「書く」の文字の分野でも、次の表のように「漢字を正しく書く」、「同音・同訓の漢字を使い分ける」、「形の似た字を使い分ける」と「ローマ字を正しく書く」の計4分野が、とくに低いことがわかる。それでここでは、これら問題のある4分野について述べることにする。(前掲の正答表を参照)

大問番号
ねらい
小問数
大問正答率
 
漢字を正しく書く
同音・同訓の漢字を使い分ける
形の似た字を使い分ける
正しい筆順で漢字を書く
送りがなを正しく書く
かなづかいを正しく書く
ローマ字を正しく書く
10
4
4
2
4
2
2
40.5
41.9
39.7
64.6
72.7
57.1
19.9


@ 漢字を正しく書く 同音・同訓の漢字を使い分ける形の似た字を使い分ける
「漢字を正しく書く」の中で調査の対象にしたのは、次の10問12字である。
ア 音読み 極、童、飛、旅、験、練習、観察
イ 訓読み 願う、打つ、短い

また、「同音、同訓の漢字」、「形の似た字」の使い分けの中で、調査の対象として取り上げたのは、次の8問8字である。ア 同音・同訓 信、真 輪、和
イ 形の似た字 熱、勢 陽、湯

これらの漢字を、学年別漢字配当表をもとにして分類すると、次のようになる。
ア 3年 2字 旅、和
イ 4年 17字 極、・童、飛、・練、習、観、察、願、・打、・短、信、真、輪、熱、勢、・陽、・湯
ウ 5年 1字 ・験
(・印はいずれも繰り下げ漢字である。)

この中でとくに正答率が悪かったのは、「験」の29.3、「観察」の19.5、「輪」の23.3、「勢」の29.8である。「験」については、繰り下げの漢字を実験的に一字だけ入れたものであるから例外だとしても、他の漢字はもっと書けてよいはずである。この学年までに配当されている漢字は543字あるわけだが、学習指導要領では、漢字を書く能力の到達目標として、そのうちの「500字ぐらいの漢字を書くこと」と述べている。その点から考えても、前記の数値は低すぎると思う。

さて、この中でもとくに悪かった「観察」を例にとって、誤答の傾向を分析してみると、無答が全体の約5割あり、全然関係の無い字を書いたものと、「観」の書き誤りや「察」の書き誤りが、各々約1割程度ずつあった。「観」では、偏の誤りがほとんどで、それも点・画の過不足のまちがいが多く、最初の「ノ」の無いものや「」だけのものが目立った。また字形そのものが違うものとしては、「」と「ワ」冠になっているものが多かった。次に「察」では、「ウ」冠の中が不完全なものがきわだって多く、とくに「発」頭が目につき、また「ウ」冠の無いものもあった。
これらは、いずれも、漢字を正しく認知してい


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