字や読みかえ漢字を指導する場合には、児童の学習が混乱しない範囲で、「偏」、「旁」、「冠」、「構え」などの説明をしたり、「六種」についての基礎的な解説をしたり、さらにはまた他の漢字との熟語の構成や、文中でのさまざまな音読み、訓読みの用例などを示して、転移力を養成していくのも指導の手がかりの一つであると思う。
以上取り上げたもののほかは、小問ごとの正答率もほとんどが60%以上で、とくに考えなければならないような問題点はなさそうである。
(2) 読む(語句)
さて、次は「読む」の語句の領域であるが、ここでは、「語句の辞書的意味がわかる」、「反対語がわかる」、「同類語・同義語がわかる」、「慣用語句がわかる」、「文脈の中で語句の意味をつかむ」、「語句の構成がわかる」の6つの分野を設定して調査をした。その結果は、次の表の通りである。
大問番号
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ねらい
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小問数
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大問正答率
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語句の辞書的意味がわかる |
反対語がわかる |
同類語・同義語がわかる |
慣用語句がわかる |
文脈の中で語句の意味をつかむ |
語句の構成がわかる |
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67.1
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58.9
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75.4
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75.0
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82.0
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42.4
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これを見ればわかる通り、平均正答率の最高は「文脈の中で語句の意味をつかむ」の82.0であり、最低は「語句の構成がわかる」の42.4である。そして6分野のうち4分野までが、67%以上の高い正答率を示している。これをさらに、計24の小問ごとに詳細に検討してみても、とくに問題として取り上げなければならないような点はみあたらない。
(3) 読む(文・文章)
大問番号
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ねらい
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小問数
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大問正答率
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細かい点に注意して読む |
文章の要点を読みとる |
主語・述語をつかむ |
修飾語・被修飾語をつかむ |
文・文章の続き方がわかる |
文体のちがいがわかる |
段落の区切りがわかる |
文章の要旨をつかむ |
場面や事物・心情を読みとり、表現のすぐれているところがわかる |
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45.1
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31.8
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55.3
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62.3
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66.0
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40.6
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56.6
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59.2
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57.4
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上の表をみればわかる通り、この領域では、「細かい点に注意して読む」、「文章の要点を読みとる」、「文体のちがいがわかる」の三つの分野の平均正答率が、それぞれ、45.1%、31.8%、40.6%となっていて、あまりよくない。さらにまた、各分野の小問ごとの正答率をみていくと、「細かい点に注意して読む」や「修飾語、被修飾語をつかむ」、「文体のちがいがわかる」の中に30%未満のものが各々1問ずつはいっている。
そこで、ここでは、上記の正答率の低い三つの分野と三つの小問とを取り上げ、それを中心にして分析と考察をしてみよう。
「細かい点に注意して読む」という分野では、3問を提示したが、そのうち第3問目の正答率がとくに低かった。問題は次の通りである。
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
(前略)
そのとき、白いハンカチのようなものが、その黒ずんだ雲をかすめて飛んだ。村の方から、麦畑のはずれの森に向かって、まっすぐに飛んでいった。あたりは、まだ気味の悪い |