研究紀要第3号 福島県診断標準学力検査問題報告書 国語科 - 058/060page

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約2割、さらには、一つだけ答えたがそれが誤っているものが約1割となっている。

ここでたいせつなことは、一つの語句に二つ以上の意味がある場合は、それを文脈の流れの中で、前後の関係から正しく識別しなければならないということである。この問題の正答率が低かったということは、それぞれの場面に応じて、語句の正しい意味を識別し理解するという能力が、不十分であることを示しているものということができよう。したがって、この分野についての指導を強化していく必要がありそうである。

(3) 読む(文・文章)

大問番号
ねらい
小問数
大問正答数
  
細かい点に注意して読む
文章の要点を読みとる
事実と意見を判別して読む
主語・述語をつかむ
修飾語・被修飾語をつかむ
文の続き方がわかる
文体のちがいがわかる
段落の関係をつかむ
段落の要点をつかむ
文章の要旨をつかむ
場面や事物・心情を読みとり、表現のすぐれているところがわかる
4
2
2
3
3
2
2
2
1
2
4
80.8
51.9
35.6
75.1
63.2
58.1
83.1
64.5
76.9
65.1
53.7

上記の表でも明らかな通り、この領域では、「事実と意見を判別して読む」の正答率が、35.6%と低くなっているほかは、10分野中7分野までが60%台から80%台の高い正答率になっている。正答率が低かった「事実と意見を判別して読む」分野についての問題は、この種のテスト問題としては割合い長い文章を取り上げ、その中から主人公の考えを述べている「文」を、二つ選ばせるようにした問題である。長い文章とはいっても、総字数490字、15文3段落構成であるが、この程度の文章でさえも、事実と意見とを区別して読むということは、なかなか容易ではないようである。

一般的にいって、読解指導については比較的よく行なわれており、したがって、国語の各領域ごとの基礎能力の中では、読解能力がもっともよく定着していると思われるが、長文の読解になると前述のように、まだ問題は多いということができる。割合いに短い文章を問題素材にした場合には、指示語や接続語の機能に応じた読みとり、主語、述語、修飾語、被修飾語の関係理解、文や段落の要点、要旨の把握などの諸能力は、かなり確実に発揮されるようになってきている。このことから考えて、高学年においては、読解に関する諸能力の定着化をはかるとともに、さらに読書活動などのいろいろの場面をとらえて、こういった能力の活用化を考えていかなければならない。

(4) 書く(文字)

大問番号
ねらい
小問数
大問正答数
 
漢字を正しく書く
同音・同訓の漢字を使い分ける
形の似た字を使い分ける
正しい筆順で漢字を書く
送りがなを正しく書く
かなづかいを正しく書く
10
4
4
2
4
4
39.9
41.2
42.9
59.8
76.3
72.2

この領域では、「漢字を正しく書く」、「同音同訓の漢字を使い分ける」、「形の似た字を使い分ける」の三分野の正答率が低いので、そこを重点的に分析し考察することにしよう。

@ 漢字を正しく書く

調査の対象にしたのは、次の10問13字である。

ア 音読み 態、策、展、券、憲法、賛成、就職
イ 訓読み 果たす、招く、暖かい


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