約2割、さらには、一つだけ答えたがそれが誤っているものが約1割となっている。
ここでたいせつなことは、一つの語句に二つ以上の意味がある場合は、それを文脈の流れの中で、前後の関係から正しく識別しなければならないということである。この問題の正答率が低かったということは、それぞれの場面に応じて、語句の正しい意味を識別し理解するという能力が、不十分であることを示しているものということができよう。したがって、この分野についての指導を強化していく必要がありそうである。
(3) 読む(文・文章)
大問番号
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ねらい
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小問数
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大問正答数
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細かい点に注意して読む |
文章の要点を読みとる |
事実と意見を判別して読む |
主語・述語をつかむ |
修飾語・被修飾語をつかむ |
文の続き方がわかる |
文体のちがいがわかる |
段落の関係をつかむ |
段落の要点をつかむ |
文章の要旨をつかむ |
場面や事物・心情を読みとり、表現のすぐれているところがわかる |
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80.8
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51.9
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35.6
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75.1
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63.2
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58.1
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83.1
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64.5
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76.9
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65.1
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53.7
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上記の表でも明らかな通り、この領域では、「事実と意見を判別して読む」の正答率が、35.6%と低くなっているほかは、10分野中7分野までが60%台から80%台の高い正答率になっている。正答率が低かった「事実と意見を判別して読む」分野についての問題は、この種のテスト問題としては割合い長い文章を取り上げ、その中から主人公の考えを述べている「文」を、二つ選ばせるようにした問題である。長い文章とはいっても、総字数490字、15文3段落構成であるが、この程度の文章でさえも、事実と意見とを区別して読むということは、なかなか容易ではないようである。
一般的にいって、読解指導については比較的よく行なわれており、したがって、国語の各領域ごとの基礎能力の中では、読解能力がもっともよく定着していると思われるが、長文の読解になると前述のように、まだ問題は多いということができる。割合いに短い文章を問題素材にした場合には、指示語や接続語の機能に応じた読みとり、主語、述語、修飾語、被修飾語の関係理解、文や段落の要点、要旨の把握などの諸能力は、かなり確実に発揮されるようになってきている。このことから考えて、高学年においては、読解に関する諸能力の定着化をはかるとともに、さらに読書活動などのいろいろの場面をとらえて、こういった能力の活用化を考えていかなければならない。
(4) 書く(文字)
大問番号
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ねらい
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小問数
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大問正答数
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漢字を正しく書く |
同音・同訓の漢字を使い分ける |
形の似た字を使い分ける |
正しい筆順で漢字を書く |
送りがなを正しく書く |
かなづかいを正しく書く |
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39.9
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41.2
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42.9
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59.8
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76.3
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72.2
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この領域では、「漢字を正しく書く」、「同音同訓の漢字を使い分ける」、「形の似た字を使い分ける」の三分野の正答率が低いので、そこを重点的に分析し考察することにしよう。
@ 漢字を正しく書く
調査の対象にしたのは、次の10問13字である。
ア 音読み 態、策、展、券、憲法、賛成、就職
イ 訓読み 果たす、招く、暖かい