研究紀要第4号 福島県診断標準学力検査問題報告書 算数科 - 006/061page

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計算の技能はよいが、数概念および、加減適用問題を解決する能力がやや劣っている。また、図形に関する理解が他の領域に比して低い正答率を示している。

以上のことから、まず、数と計算の意味の理解についての能力が劣り、その中で、数える対象をはっきりとつかんで目的に応じ正しく数える能力、2位数の構成についての理解、そして、加減適用力が劣っていると考えられる。具体的な操作などを通し、つぎの点にうぶん意を用い、このようなつまづきをしないような指導のくふうが必要である。

 ・数える目的意識をはっきりさせ、正しく数えられるようにする。
 ・位取りの原理をじゅうぶん理解させる。
 ・演算の意味、適用する場面の理解をはかる。

つぎに、図形についての理解が劣っているが、その中で、図形の認知、弁別、図形を構成している要素についての理解が劣っている。教材、教具を用い、構成、分解などの具体的操作を通し、図形の基礎的経験を多く与えるなどして、つぎの点に意を用いて指導のくふうをする。

 ・図形の位置、大きさに関係なく正しく図形を弁別、認知できるようにする。
 ・図形の構成要素についての理解

〔2〕 領域ごとの考察

小問の正答率および領域相互の平均正答率からテスト結果の概観的な考察を進めてきたが、さらに、正答率の比較的低い問題の誤答分析の結果をもとにし、領域における問題点などについて考察する。

(1) 数と計算の意味の理解(1)

この領域は100までの数の理解と加法、減法の意味についての理解の程度をとらえる問題によって構成されている。

この領域においては、対象を目的に応じて数え、整理して表わす能力を見る問題の正答率が61.7%と最低で、数を正しくはやく数えること、10以下の数および2位数の構成、等分についての基礎的理解、加減法の意味についての理解はほぼ同程度の正答率を示していて、あまりよい方ではない。

 @ 100以下の数を数える。

ここでは、規則正しく整頓されたものを数えることはできるが、不規則に、整頓されていない状態にある対象物を数えること(1の問題)、および他の種類の物と混在している中から目的にあったものを選び出して数えること(13の問題)についてはあまりよい結果でなかった。

「整理して表わす」ことをねらいとした問題13(1)は他の種類の混在した中から、目的にあった対象物を選んで数える能力をとらえる問題とも考えられる。この正答率は56.5%と最低である。

100以下の数を数える。

誤答分析の結果.比較的多い誤答は、その反応率の大きい順に6,2であった。

これは、数えまちがい、それから、その月の2日の日と考えたか、それともはじめの方だけ数えたことによってのあやまりかであるか、数える目的意識の不確実か、数え忘れ、あるいは問題の意味の不理解による誤りである。

つぎに、数える対象を正しく早く数えるため「まとめて数える」という数え方をするが、対象物の置かれている状態から「いくつずつまとめる」とよいか見ぬく力がないため64.2%と低い正答率になっている。

規則正しく整頓された物だけでなく、不規則に置かれているもの、または、他の種類に混在しているものを選び出して数えさせるなど、いろいろの経験を与え、数える目的意識を明らかにさせ、数えるようにすることが必要であろう。また、数詞と実物との確実な対応をさせるなど、あるいは、数える対象物の置かれている状況に応じ、「いくつかずつまとめて」正しく早く数えられるようにする。

 A 数の大小、順序、系列

2位数の大小弁別は比較的高い正答率を示しているが、数の系列の理解について1つずつふえていく系列はよいが、5つずつ


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