研究紀要第4号 福島県診断標準学力検査問題報告書 算数科 - 007/061page
ふえていく系列の問題は75.2%とやや低い正答率となっている。
数の大小、順序、系列の問題で比較的低い正答率となっているのは、ある数よりいくつか大きい、または小さいかずを求める問題(平均62.7%)と数直線の意味の理解についての問題(48.2%)である。
数直線の理解の問題(3)の正答率は48.2%で低い。全答案から100部無作為に抽出し、誤答分析した結果はつぎのとおりであり、誤答分析の結果には若干の標本誤差が見られる。
数直線の(2)、数系列は0,1,2,3,………になっているが、間隔が等間隔でない問題に対して、正しいと反応しているのが約18%見られることなどから、数直線とは、0,1,2,3,………の系列のみであるという理解にとどまっているのではないだろうか。
以上のことから、数の大小、順序、系列についての指導にあたって、つぎの点に留意し、正しく理解させるようにくふうすることが必要である。
・記数法の理解をはかること
・数えたり、読んだり、書いたりするとき変化をもたせることいつでも、小から大へ1つとびだけでなく、2とび、5とびとか、または、大から小へと、どの数から出発しても数えたり、書いたりすることができるようにする。
・大小や順序についての「ことば」や文章表現になれさせるようにすること
より3おおきい、より4ちいきいということの意味とそのもとめ方についての理解が不じゅうぶんである。
・数直線の意味を正しく理解させること
数えること、読むことなどと関連させ、数系列を直線に表わしたもので、数系列の順序性と等間隔性、特に基点が0であることについて正しく理解させたい。
B 数の構成
10以下の数の構成、2位数の構成についての理解において、10以下の数の構成の正答率は70%台で、概してよかったが、2位数の構成についての理解はやや劣っているようである。
2位数の構成において、つぎのような問題(1)(2)の形式より問題(3)(4)の形式の正答率は低い。これは、出題形式による理解もある程度あるだろうが、2位数の構成についての理解が不確実であるためである。
上の問題(3)の誤答分析の結果、比較的多い誤答は、反応率の多い順から、24,71,17,となっている。
これら誤答から、問題形式の意味の不理解、それから、2位数の構成、および2位数の位取りの考えと記数法の理解がじゅうぶんでないことがわかる。指導にあたって
・10ずつまとめて数えるということを確実にする。
・2位数の位取りの考えと記数法について確実な理解などについて、理解をはかるくふうをしたい。
C 加法、減法の適用
加法、減法の意味とその適用場面についての理解の程度をとらえるため、増加、添加による加法適用の場面の問題と、不足、差による減法適用の場面、そして、やや複雑な加法、減法適用の場面の問題を構成した。テスト結果は。17の差の問題の正答率が64%とやや低く、1つの問題におい