研究紀要第4号 福島県診断標準学力検査問題報告書 算数科 - 008/061page
て減法、加法を適用する問題の正答率は55.7%と他に比して低かった。
この問題の誤答分析の結果はつぎのとおりである。
でんしゃごっこをしています。おきゃくさんが、8にんのっていました。4にんおりて、5にんのりました。いま、おきゃくさんは、なんにんのりているのでしょう。
(正答率55.7%)誤答分析の結果はつぎのとおりである。
9(正答)(57%)13(15%)4(3%)3(2%)
17(4%)無答(10%)これらのことから、
・問題全体の意味を読みとることができない。
誤答をみると部分的な読みとりによる解答が比較的多く、また、無答の比率も比較的多い。・数量的な見方や考え方がふじゅうぶんである。
「のっている」「おりた」「のった」の意味の理解が確実でない。・何を求めるのか明らかでない。
指導にあたって、いろいろな経験の場を多く用意し、加法、減法の意味の理解を深めるとともに、具体物の操作などをとおし、数量的な見方、考え方、あるいは処理のしかたの理解を深めるようにくふうする必要がある。また、数量的な関係をあらわす用語の理解を深めること、および、問題の考え方を身につけることなどもたいせつなことである。
(2) 3 計算
1位数の加法、減法の計算、簡単な2位数の加減計算および加減混合計算をとりあげたが、概して正答率は高く簡単な2位数の減法計算の正答率は低いが82.1%で、最も低いのは、加減混合計算である。その平均正答率は62.7%である。
この領域で特に低い正答率を示している加減混合計算の結果について考察を進める。
まず、3この数の加法のみの計算についての正答率は高く85%以上であるが、加減の混合計算の正答率は低く70%以下である。
つぎに、加減混合で、減法のとき繰下りのある計算の正答率は最も低く57.1%である。
ここで、正答率の低い問題の誤答分析の結果はつぎのとおりである。誤答例は、反応率の高いものから順にあげてある。
問 題 誤答例 (3)7+8−9
(5)8−5+6
(6)18−8+5
(7)12+6−7
24.5.26.4
14.3.11.
13.5.6.
25.13.12.14
これらの誤りは
・演算記号を正しく読みとって計算しないあやまり
・部分的な計算を行なっているあやまり。
・1位数の加法、減法の不確実のためによるあやまりなどのあやまりと考えられる。
指導にあたって、1位数の加、減計算を確実にできるようにすることが第一であろう。
そのためには・1位数の合成、分解が確実にできるようにする。
・2位数の理解を確実にすること
・繰り上がり、繰り下がりの理解を確実にする。
・演算記号にじゅうぶん注意して計算するようにする。
・加減混合計算は右より演算記号にしたがって順に計算すること、および、そのとき前の計算結果を忘れないようにすること以上のことを確実にできるように配慮するくふうが必要である。
(3) 量と測定(2)
長さ、広さ、かさなどの量の概念、測定についての基礎的理解および、時刻の読みの理解についての程度をとらえようとして問題を作成した。
この領域は、前述したように.他の領域に比して計算の領域についで高い平均正答率を示している。比較的低い正答率を示している問題はつぎのとおりである。