研究紀要第4号 福島県診断標準学力検査問題報告書 算数科 - 010/061page
関連において、時計に親しませ、時計のしくみおよび針の動き方を理解させ、短針をまず見て時刻の見とうをつけ、その後に長針を見るようにさせ、正しく時刻を読みとることができるようにする。さらに、何時はん、何時まえ、何時すぎなどの見方、あらわしかたもさせるように、指導のくふうが必要である。
(4) 図形
図形の概念の素地として、基本的図形の、しかく、ながしかく、さんかくの形の弁別、図形を構成している要素についての理解、図形の構成操作に関する理解の程度をとらえる問題で構成している。
この領域は、他の領域に比して低い正答率を示し、特に低い正答率を示しているのは、つぎの問題である。・しかくの認知と弁別(ましかく、ながしかくを含めた) (58.9%)
・ながしかくの認知と弁別 (48.4%)
・さんかくの認知と弁別 (52.8%)
・さんかくの構成要素の理解 (69.4%)
・ましかくの構成(操作)の理解 (58.2%)
・右または左からの位置の理解 (67.0%)これら問題の正答率の低いのは、基本的な図形についての概念が明確にされていないことである。つぎの点に留意し図形の理解を確かにするようにしたい。
・いろいろな形の比較観察を豊富にし、図形の分類活動などによって図形の概念を確立するようにすること
・構成活動などの作業を通し・図形の構成.図形の構成要素の理解をはかるようにすること@ しかくの認知、弁別
これは、「しかく」という概念が理解されているかどうかをとらえる問題であり、ましかく、ながしかくを含めて正答としたので正答率は低かった。誤答分析の結果反応率の高い誤答は2、そのつぎ3であった。
これは、「ましかく」だけ、あるいは「ながしかく」だけと考えたあやまりである。広い概念で図形を考察できるように1年生から指導にあたって意を用いることが必要であろう。
つぎに、「ながしかく」についての認知であるが、同じ形を全部書きなさいという問題であって、その結果は、2つ選んだとき正解としたが、どちらか1つだけを答えている誤答が多かった。図形の分類作業などを通し、大きさや位置が違っても同じなかまであることの理解を深め、図形の理解をいっそう確かなものにするようにしたい。
A 図形の構成要素の理解