研究紀要第4号 福島県診断標準学力検査問題報告書 算数科 - 011/061page
図形を構成している要素についての理解の問題であるが、三角形の構成要素に関する問題の正答率が69.4%で「ましかく」「ながしかく」より低かった。
しかくについては、ねんどとひご、または豆細工などの作業を通し、図形の構成要素に対する注意がなされているため、その理解がなされている。が、しかし、三角形については、そのような経験がすくないと考えられる。
このように、豆細工などの作業をとおし、三角形をつくるには、豆の数が3こ、ひごの数は3本、正三角形のときは3本のひごの長さが等しくなければならないということの理解から、漸次、三角形の構成の要素として、かど、へり、(頂点、辺に発展)の名称、数への意識を明確にし、図形の概念を深めるようにしたい。
B 図形の構成
「ましかく」の構成の問題の正答率は50%台で低かったようである。
ここで、2つの三角形から「ましかく」を構成する問題の正答率は58.2%で、これも低い。
上の問題の誤答分析の結果、誤答は「い」に高い反応を示している。これは、三角形だから、「い」のはんぶん、じゅうぶん図形を考察しないで答えたのかもしれない。原形のはんぶんが直角二等辺三角形になっていることを正しく理解されていないこと、原形の「い」をはんぶんに切るとただの直角三角形であること推測がなされていないことによるあやまりである。すなわち、図形に対する正しい理解がなされていないからである。
色紙ならべや、図形を折ったり、切ったり、かさねたり、具体的な操作を通し図形の構成についての理解を深めるとともに、図形の考察のしかたをも身につけるようにするくふうがほしい。