研究紀要第4号 福島県診断標準学力検査問題報告書 算数科 - 016/061page
領
域問題のねらい 問題番号 正 答 率小問 大問 領 域
4.表やグラフをかく、読む。 6 (1) 65.4 70.2 71.8 (2) 96.4 (3) 63.9 (4) 63.4 2 結果の考察
〔1〕 概観
各問題の正答率は上表のとおりで、比較的高い正答率を示している問題は
・数の大小、順序を弁別する能力
・単位と測定の意味についての理解
・日、時、分の関係についての理解
・分を単位として時刻を読みとる能などをねらいとした問題で、形式的な計算や、簡単な性質の理解および適用能力は比較的よい結果を示している。
正答率の比較的低いのは、
・物ごとを整理して表わす能力
・加法、減法の関係についての理解
・乗法九九の意味の理解
・繰り下がりの多い減法計算能力
・ものさしを用いて測る能力
・図形を構成する頂点、辺、面についての理解
・正方形、直方形、直角三角形の理解
・位置を座標を用いて表わす。
・式の意味についての理解をねらいとした問題である。これは、指導要領が改訂され、完全実施は昭和47年度であり、標準化のためのテストは移行措置における時期であった。この移行措置はじゅうぶんであったと考えられるが、今後の指導にまつものが多いようである。
正答率の比較的低かったのは、新指導要領で新たにとりあげられている内容が多かった。
新指導要領に示されているねらい、内容についてじゅうぶん検討し、それらのことが達成されるように研究くふうが必要ではないだろうか。
領 域 1 数と計算の
意味の理解3 計算 2 量と測定 4 図形 5 数量関係 平均
正答率61.5% 76.8%
74.9% 43.4% 71.8% 領域ごとの平均正答率は上記のとおりで、図形の領域が42.5%と最低となっている。これは、従来3年で扱った内容を2年で取りあつかうようになったこと。それから、正方形、長方形が四角形の部分集合であり、直角三角形は三角形の部分集合であることから、四角形のなかの正方形、長方形として、あるいは三角形の中の直三角形であるとしてとらえさせるようにすることなどから、新指導要領の完全実施のための移行措置という条件下にあったためであろう。今後の指導にあたって、このような考え方をじゅうぶん理解して指導にあたることが必要であると思う。
つぎは、「数と計算の意味の理解」に関する領域が低い正答率となっている。3位数の構成についての理解、加法、減法の関係の理解、乗法九九の構成についての理解、逆思考の問題解決など、基礎的な事項の理解、複雑な問題場面における加減法の適用力が劣っているようである。
以上のことから、まず、数の概念の理解をはかること。つぎに、図形の概念の基礎を確立することである。第3に、長さの概観や測定の意味の理解をはかるようにしたい。第4に、数量関係をとらえ問題を解く能力を高めるようにすることが必要である。