研究紀要第4号 福島県診断標準学力検査問題報告書 算数科 - 029/061page
く能力、乗法、除法を適用する問題を解く能力の問題であるが、複合問題、除法を適用する問題の正答率は低く、他に比して劣っているといえよう。
誤答分析の結果、つぎのようなあやまりがみられる。
10番の問題の誤答は、287(14名)、343(10%)、315×28(7%)など与えられた数の単なる組み合わせによるあやまりか、
12番の問題の誤答は、700、145、135など前者と同じようなあやまりである。 この問題では無答が約20%ある。問題の形式は、認知事項、関係事項、求答事項の基本型であるが、正答率は低かった。
はじめの問題では求答事項の読みとりが不確実であり、これに答えるためには、女の人数、そして全体の数を求めるという洞察ができないためである。何を求めるのか、求答事項を読みとる。関係事項から数量関係をとらえ、演算が決定できるように、指導のくふうが必要である。
(2) 計算
4位数までの加減計算、乗数が2位までの乗法計算、除数が1位数の除法計算であまりのある計算、簡単な小数計算、同分母の簡単な加・減計算によって構成している。あまりのある除法計算と、小数と整数の加・減計算の正答率が低かった。
誤答分析の結果,無答が全体の約1/4あり、誤答はいろいろの数多くの型で、これらは、除法計算の原理、手順についての理解が不確実によるあやまり、余りの意味の理解が不確実なためによるあやまり、商の意味の理解不確実によるあやまりが多い。
除法の意味、計算の手順、特に商の見つけ方、それを書く位置、あまりの意味、そして除数と商、あまり、被除数との関係の理解をはかるように指導のくふうが必要である。
(2) 3.4−2= (48.7%) 誤答は、3.2(41%)、32(7%)などであり、前述した小数の構造についての理解が不確実であるためである。
前述した小数の構造の理解を確実にし、計算も整数の計算と同じ手順で行なわれることを整数の理解との関連、または、長さ、重さの問題との関連によって小数の計算方法の理解を確実にしたい。
(3) 量と測定
この領域では、量意識に関する問題、長さ、重さの単位の理解、長さ、重さを測る能力、そして、時刻、時間についての理解に関する問題によって構成されている。
正答率の低い問題について誤答分析の結果をもとにして考察を進める。@ ものさし、巻き尺を用い測る。