研究紀要第4号 福島県診断標準学力検査問題報告書 算数科 - 031/061page
指示された点を結ぶ三角形について、円の性質から、3辺が相等しい三角形、2辺が相等しい三角形であるという判断は、それぞれ正答率が66.7%、59.8%であることから、ある程度できていると推察される。がしかし、そのような三角形の名称についての正答率は非常に低い。
指示された三点を結んでできる三角形が具体的につかんでいないで、単なる文脈から正答しているため、それではそのような三角形の名称はと問われると答えられないため、また、正三角形、二等辺三角形の定義と名称の関係が明確でないためにより、それぞれの三角形の名称についての正答率が低くなったのでないだろうか。
名称についての(1)、(2)の三角形の主な誤答はつぎのとおりである。
・(1)の誤答……二等辺三角形(15%)、三角形(10%)、直角三角形(10%)
・(2)の誤答……正三角形(10%)、直角三角形(9%)、三角形(10%)(1)、(2)とも無答が多かった。定義と名称の関連分析をすればはっきりするであろうが、三辺が等しいことと、そのような三角形は正三角形という定義と名称が一体となって明確に理解されていない。また、二等辺三角形についても同様に、定義が正しく理解されていないと考えられるであろう。
まず、三角形についての定義を明確にし、ついで、それらの三角形において、動的な操作をとおし、二辺の長さの等しい三角形は二等辺三角形ということ、そして、さらに、三辺が等しいとき、特にそのような三角形を正三角形ということを明確に理解させるべきである。
また、これらの定義を用いて、正三角形、二等辺三角形を作図したり、また、定義によって三角形を弁別、確かめたりして、これら三角形の概念を明確にすべきである。
いろいろの大きさの正三角形、二等辺三角形を考察することによって、大きさ、位置などにとらわれないで、正三角形、二等辺三角形として理解するように、すなわち、1つの正三角形や二等辺三角形を見たとき、それは、それぞれの三角形の代表であるとしてみる態度、考え方を養うようにする。
それから、三つの辺でかこまれている図形は三角形であり、二等辺三角形はその特殊なもの(条件を1つ加えたもの)であり、きらに、それに条件を加えたものが正三角形である。これは、二等辺三角形の特殊なものである。という包摂関係を理解させるようにしたい。一般と特殊の包摂関係の理解など全体を通し部分を見るという広い立場に立ってものを見る態度を養うようにしたい。
このねらいの問題の正答率は18.4%と全問題中最低の正答率であった。
A 円のまわり、球のまわりと直径の関係