研究紀要第4号 福島県診断標準学力検査問題報告書 算数科 - 032/061page

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円のまわり、球のまわりと直径の関係

これら問題の正答率は、それぞれ、35.7%、31.7%と低い正答率を示している。

問題4のおもなあやまりは、40p(15%)、10p(10%)、20p(8%)、5p(8%)などで
問題5のおもなあやまりは、30p(26%)、60p(8%)などである。

補助的な図形から判断したあやまり、あるいは直径と円のまわりの関係を不確実に知っているということによるあやまりであるようだ。

これは、問題4の補助図形の一辺が直径と等しく、円のまわりは、正方形のまわりよりはすくないこと、すなわち、40pよりすくなく、220pよりは長いことが推察できる。

いくつかの大小の円について、実際に円のまわりと直径を測って、円のまわりと直径との関係をとらえさせ、円のまわりは直径の約3倍になっていることを確実に知らせることが必要である。

これらの円についての性質を理解し、これらを用いて問題を解く能力を養うことも必要である。

 (5) 数量関係

この領域では、二つの数量を関係づけてみたり、その関係を調べたりする能力、数量の関係を式で表わしたり、それをよんだりする能力、資料を表やグラフに表わしたり、読んだりする能力などをとらえる問題によって構成されている。

この領域の平均正答率は前述したように、57.8%であって高い正答率ではない。特に、数量の関係を公式の形にあらわす問題、□、△などを用いて式に表わす問題、式の□や△にあてはまる数を求める問題の正答率がいずれも50%以下であって、数量の関係を式で表わしたり、それを読んだりする能力は他に比して劣っているといえる。

問題の構造を洞察し、各要素についてその数値にとらわれることなく関係は握を進めていく態度を養うとともに、具体的な数量関係を「ことばの式」としてとらえる統合的な見方、考え方の能力を養うようにしたい。

ことばの式の理解から、漸次、抽象的な記号的表示に移し、数量関係を簡潔にとらえたり、それらの関係を式に表現し、それを用いて問題を解決する能力を養うようにする。

△、□を用いた式において、△、□は答えをいれる場所を表わすこと、数量に代わる記号としてみられる考え方を伸ばすようにし、たんなる未知数としてみるだけでなく、変数として広く考えられるようにすることがたいせつであろう。新指導要領の新しい観点でもある。

正答率の低い問題について誤答分析したのでその結果をもとにし考察を進めることにする。

 @ 数量関係を公式の形に表わす。

数量関係を公式の形に表わす。

誤答分析の結果、おもなあやまりはつぎのとおりである。

 ・(ひとくみの人数)+(くみのかず)=(ぜんたいの人数)
 ・(ひとくみの人数)−(くみのかず)=(ぜんたいの人数)
 ・(ぜんたいの人数)−(くみのかず)=(ひとくみのかず)

これらのあやまりは、数量関係をとらえる


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