研究紀要第4号 福島県診断標準学力検査問題報告書 算数科 - 033/061page
ことができず、演算の決定ができないため、または、具体的な数量間の関係は握はできているが、それを一般化する能力、態度が養なわれていないため、さらに、問題の意味が理解できないためなどによった結果によるあやまりでないだろうか。
具体的な数量の関係の理解から、各要素についてのその数値にとらわれることなく関係は握を進めていく一般化や統合する考え方を養うような配慮と、そのための指導のくふうがたいせつである。
A □、△などを用いた式に表わす。
□、△を用いた式に表わす能力についての正答率は38.5%、□、△にあてはまる数をもとめる能力については22.5%と低い正答率を示している。おもな誤答はつぎのとおりである。
間題3では、え(23%) あ(16%) う(13%)
問題4では、与えられた数を全部あげたもの、0をぬかし1,2,3,4とした、または5だけ
問題3において、このようなあやまりは、正方形のまわりの長さと1辺の長さの関係の理解の不確実、または、□、△を用いた式の意味がわからないためのあやまりである。問題4においては、□は数量を表わす記号で、答えをいれる場所と考え、いろいろの数をいれてみて与えられた式が成立するかどうかを調べることの理解が不確実である。指導にあたってつぎのことに意を用い、数量の関係で式を表わしたり、それをよんだりする能力を漸次のばすことがたいせつである。
具体的な数値のかわりにことばを用いた式の理解をはかり、その後、一般的関係に着目し、数値、ことばの代わりに□、△の記号を用いると、簡潔に、数量関係をあらわすことができることの意味の理解をはかること、ここで、式はたんなる答の求め方を表わしているという見方、考え方だけでなしに、数量の関係を簡潔に表わすものであることの理解をはかることがたいせつである。そして、数値やことばの代わりに、□、△の記号を用い、数量の関係を1つの式にあらわすことのよさを理解させたい。
ここで、□、△は数値やことばに代わる記号であるから、□、△は数値をいれる場所を表わしているのであるという理解をさせたい。したがって、□、△はいろいろの数値を意味しているのであるから、□などの記号を用いて表わされた式にあてはまる数を求めるときは、いろいろの値を□の中にいれてみて、あたえられた式が成立するかどうかを調べなければならないのであることを理解させるようにしたい。そして、式を成りたたせる数の集まりが求める答えであることを理解させたい。