研究紀要第4号 福島県診断標準学力検査問題報告書 算数科 - 048/061page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

%と非常に多いのが目立った。次に多いのが共通部分に記入すべき要素の1、2、4を全然記入してないものが19%あった。また、共通部分に記入された数字が2、4だけのものも14%もあったことは、約数の意味理解の不徹底さにあるのではないかと考えられる。

次いで目立ったものとしては、2、4をベン図のそれぞれの部分に重複して記入したものが見られたが、これは「ベン図」の理解不十分と見られる。このことは新指導要領への移項措置期間での学習直後のテストであったためと考えられるが、今後は数の構造や用語の効果的な指導法の改善が必要である。次に全領域を通して、もっとも低率であったのが次の問題である。

数と計算の意味

本調査での正答率が(1)が1.14%、(2)が6.03%であるが、100名の無作為抽出の結果も(1)が0%、(2)が3%と低率である。

無答率も(1)が9%、(2)が29%となっている。誤答の内容も(1)では6405としたものが19%、6400としたものが16%あり、誤答の種類も31種あった。6405としたのはそのまゝの計算結果で概数の意味理解が不十分であると思われる。6400としたのは概数計算の技術の不徹底かと思う。計算結果から概数をとるのではなく、概数をとって、その結果を概数としてまとめるものであることを今後の指導に十分留意することが必要である。

概数はその使われる場面において能率的に処理するためのものであるので、たんなる計算技術としてのみでなく、概数を使用の必要感を与える教材提示がもっとも重要なものである。

同じ大きさの分数の集合づくりの理解の問題も予想正答率を下まわっていた。

数と計算の意味

この3つの{ }の中にそれぞれ2/8、9/21、6/14、4/8を代入して、正答としたが、その正答率は23.46%であった。この3つの{ }の中に正答を記入したのをみると、第一の{ }の中の正答率は26%、第二番の正答率は42%、第三の正答率は36%であり、無答率は第一が22%、第二が21%、第三が34%であった。

誤答例をみると、第一の{ }の中に代入され分数は(2/8、4/8)がもっとも多く、29%あった。

また、第二番目の{ }中に代入された分数は{6/14}が10%、{9/21}が12%で、第一の誤答例が16種に比べ、第二の誤答例は10種であった。また第三の{ }に代入された誤答は11種にのぼり、そのおもなものは{6/14}、{3/6}、{9/21}などである分数概念と集合の考えを加味された新しい問題であるが、分数計算は技術的にできても、分数の意味理解となると、まだ不十分な点もみられた。

数概念の指導と集合の考えの指導の調和が今後の指導上の課題であると思われる。次に低い正答率であったのは「AのBに対する割合がPであるとき、Bを求める。」問題は

数と計算の意味

である。抽出標本の正答率は27%、無答率は15%であった。誤答でもっとも多かったのは、1,920円で31%もあった。計算ちがいもあるが、2,400円×0.8としたのが大部


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。
福島県教育センターの許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。