研究紀要第4号 福島県診断標準学力検査問題報告書 算数科 - 049/061page

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分であり、何を求め、どのように計算するか、問題文の読解力の不足も目立っていた。また1,920円+2,400円=4,320円としたのも7%あった。誤答の極端なものとして、19,200円とか。

2,400円×80=192,000円というようなものも見られた。問題文からの答の予測ということも指導上考慮する必要があるのではないかと思われる。また、2,400円÷80=30円とした計算式も、答の予測の指導とともに、百分率の意味理解の不足もあると思われる。

除数が小数であることは、児童がこれまでの学習で得た等分除の考え方では処理し切れない抵抗を感ずるものと思われる。従って小数の除法では、等分除、包含除のどちらを先に指導するか、また除数の小数をどのような手順で整数に直すか研究する余地が残さされている。

(2) 計算

この領域では各問題とも予想正答率をはるかに上まわった正答率であった。
異分母の加法・減法の計算がこの領域では一番低いものであった。次にこの問題の100名の標本からの誤答例を示しておく。

計算

番 号
(1)
(2)
(3)
(4)
正答率
62%
49%
58%
56%
無答率
5%
17%
15%
20%

誤答例では、(1)では、6、8の最小公倍数の計算まちがいが非常に多かった。このことは前学年での「分数の意味理解」、「約分の理解」の問題の正答率が20%台であることと考え合わせ、今後の指導上に考慮すべき問題である。

(3) 図形

この図形の領域は第5学年の全領域中もっとも低い正答率33.2%を示している。前学年までに比べて、論理的な思考が要求されてきたためと思われ、高学年での図形指導上の多くの問題点が見られる。この領域で特に低い正答率であったのは

 o包摂関係に着目した基本的な図形の理解
 o円周率の意味理解

の問題である。

包摂関係に着目した基本的な図形の理解の問題は、問題を2つに分けて

 @正方形・台形等図形相互の包摂関係
 A対角線が互いに直交するとか等の図形の性質からの包摂関係

の二つの面からの分類整理をねらった問題から構成してある。

図形相互の包摂関係の問題は

図形

この標本調査による分析は、
(1)が6%、無答率1%、もっとも多い誤答例は、長方形の43%、ひし形が19%、平行が17%あった。特殊と一般の包摂関係の難しさを表わしている。これに対して、(2)では正答率が53%と半数以上が正答をしめし、無答も3%と少ない。

誤答のおもなものは、平行が25%となっている。この(2)は、(1)に比してやゝ直観的に判断出来る易しさを持っているので正答率も高いが、この種の問題では問題文の読解力、分析力の育成の指導もたい


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