研究紀要第6号 学習指導改善に関する研究 理科実験 - 007/036page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

中学校教材
 

気体の温度と圧力の関係を調べる実験

佐  藤  亘

 

T はじめに

中学校理科の第1分野(3)力とエネルギーの項には,気体の圧力と体積との関係,および圧力と温度との関係を調べる内容がある。
しかし,体積を一定にした場合の気体の温度と圧力の関係は,定量的に扱うことはかなりむずかしいので,実験から直接導くような指導はされていない。指導過程としては,まず,気体の圧力と体積の関係をボイルの法則として導き,次に気体の圧力を一定にして温度と体積との関係を導く。
そして,この関係をもとにして,シャルルの法則と表裏の関係にある「気体の温度と圧力の関係」 を定性的に推論させるような指導がとられている。

そこで,実験をとおして,この温度と圧力の関係をとらえさせるためには,適当な実験装置のくふうが必要になる。ボイルの法則やシャルルの法則に関する簡易な実験は,注射器やおもり,台ばかり等を用いる適当な方法が紹介されているが,気体の温度と圧力の関係を調べる実験には,簡易で適当な方法がみあたらない。注射器と台ばかりを用いた方法が発表されてはいるが,測定値のバラツキが激しく,生徒が納得するような結果が得られない問題がある。

ここに発表する実験装置は,定積気体温度計と原理的には同じものであるが,
(1)装置のしくみや原理がわかり易い。
(2)測定値の誤差が少なく,精度が高い。
(3)操作が簡単で扱い易い。
(4)製作が容易である。
などの点から考えて,試作したものである。

 

U 実験装置の構造

装置は,図−1に示したとおりであるが,全体の大きさは,35×50pである。基板には4.5o厚のベニヤ板を用い,目盛り付き鏡は市販の目盛長
〔図−1〕 実験装置の構造
〔図−1〕 実験装置の構造


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。
福島県教育センターの許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。