断熱箱を使うと表のような結果で,78cal/gから80cal/gの間に測定値がくる。断熱箱でなく,サーモカップ2個かさねて使うと,断熱効果もよく,断熱箱を使用したときとほぼ同じ結果が得られた。
サーモカップ2個かさねて使うときは,水量を外のカップの上端以上にいれないようにする。
イ 氷
冷蔵庫からとりだした直後の氷は,0℃以下であるので,表面がとけだしたころをみはからって使用する。氷は表面で融解が始まるとただちに全体が0℃まで上昇する。−IPS指導書−といわれている。従って使用する氷は0℃とみなしてよいだろう。
表面がとけている状態の氷を使うときは,ろ紙などで水をよくぬぐいとったものを使わないと,測定値は小さく,ばらつきが大きくなる。
測定の結果の例を表に示した。
水の重さ(g)
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氷の重さ(g)
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初めの温度(℃)
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終りの温度(℃)
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温度差(℃)
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融解熱(cal/g)
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※ とけつつある氷をふって水をとりさった。
※ 室温20℃,サーモカップおよび断熱箱使用。
2.P−ジクロルベンゼン(パラゾール)の凝 固熱の測定
ナフタリンの融点が80℃であるため,凝固終点時のの操作による測定値の誤差が大きくなるので,融点の低いP−ジクロルベンゼンを使用する。
(1) 方法
ビーカーに70〜80℃の湯をつくり,これにP-ジクロルベンゼン59はいっている試験管をひたし,P−ジクロルベンゼンを融解する。
氷の融解熱に使った熱量計を使い,サーモカップに室温よりやや低目の水−実験では,水道からとり出した水をすぐ使用−をとり,水の重さを測り求める。
ふたをして水温を測る。
P−ジクロンベンゼンの溶融した試験管を湯からとり出し,温度計でかきまぜながら空気中で冷やす。
結晶ができはじまったら,すばやく試験管をサーモカップ中にさしこみ,温度計でP−ジクロルベンゼンを,また水もかきまぜながら,完全に凝固するまで行う。全部凝固した時点での水の最高温度を読みとる。
水の得た熱量がP−ジクロルベンゼンが凝固するのに放出した熱量である。これから凝固熱を求める。
図−2 P−ジクロルベンゼンの凝固熱の測定
(2) 測定結果の例
上皿天びんを使うことにしたので,水は80〜90gにとどめた。それで,試験管にいれるP−ジクロルベンゼンの量は5〜6gが適当で,あまり多いと水面より試料がでてしまう。
水の重さ(g)
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試料の重さ(g)
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初めの温度(℃)
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終りの温度(℃)
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温度差(℃)
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凝固熱(cal/g)
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※室温21℃-20〜50 1/10°目盛温度計使用
文献値 m.p.53.13℃
Hf 29.38ca1/g