研究紀要第6号 学習指導改善に関する研究 理科実験 - 025/036page

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この結果は予想と合致しているといえる。またF1の配偶子形成を検定するためF1とPのvgともどし交配してみたが,正常とvgが174:169と出,F1.、がvg+とvgの配偶子を1:1に生産していることが判る。

F2の予想
実験結果
F2の予想
実験結果

正常ホモ:正常ヘテロ:痕跡翅ホモ=1:2:1
正常と痕跡翅=3:1
予想と実験結果は一致していると思われる。なお後法により検定してみる。

《伴性遺伝》 第1染色体(X染色体)上のものを用いる。この場合,正逆交配をするとF1とF2の表現形,分離比に著しい違いがあること。また,十文字遺伝が見られるのが特色である。よく用いられるのは,白眼white(w)である。

図5
図5
伴性遺伝キイロショウジョウバエの白眼(w)

正常(赤)の場合は,X染色体15の位置にW+が乗り,白眼は♂はw1ケで,♀はwが2ケ乗った場合におこる。いま〔A〕と〔B〕についてF1,F2を求めてみたが,次のようになった。

F1……〔A〕
〔B〕
F1……〔A〕
F1……〔B〕

F2……〔A〕
〔B〕
F2……〔A〕
F2……〔B〕

この実験の結果も大体理論比に一致している。

《両性雑種》 性染色体以外の異る染色体の遺伝子を選ぶ,よく第U染色体上のvg第V染色体上のeかseなどの組み合せが用いられる。そこで,vgとeの組み合せが実験してみた。この場合,次の2通り考えられる。すなわち二重優性の野生種()と二重劣性ホモのvg,e()の交配とvgで正常体色()正常翅でe()の場合があるが,これでF1とF2を予想して見る。いずれの場合もF1となり,形成する配偶子は(vg+e+)(vg+e)(vge+)(vge)の4種類をほぼ同数つくると(F1と二重劣性のPをもどし交配して検定するのもよい)F2は正常翅正常体色,正常翅黒たん体色,痕跡翅正常体色,痕跡翅黒たん体色,と出ると予想される。
実験結果
実験値は理論比にほぼ一致していると考えられる。

3.分離比の吟味

これらの遺伝交配の結果は単性雑種ならば3:1両性雑種ならば9:3:3:1などの期待した通りの分離比にちょうど一致するとは限らない。果して理論比に合致しているかどうかを吟味する必


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