研究紀要第8号 教授組織に関する研究 実践編 - 003/029page

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5.協力体制での活動

 計画・実践・評価のサイクル的な教育活動を学年,あるいは学年団を基盤として,協力しながら継続的に行なうことである。
 計画,すなわち単元指導計画は,学級担任による教育の長所を残しながら,教師の特性を生かした役割・分担により,集大成の教育効果を期待できるようにする。

 教材構成にあたっての教材研究は,制約された時間内で,特に協力して行なうことからして,基本的な構想について,共通理解と徹底をはかっておく必要がある。

 その一例をあげれば,基本的観念・あるいは大意である目標を細目として提示し,細目に即して内容を段階的にとらえ,各段階で評価事項を予測する。こうした手続きから児童の発達段階,経験に応じて調整し,主体的に消化しやすいように教材構成をすることである。

 教材研究が,基本的構想により共通理解のもとに進められて,単元指導計画を作成することになるが,与えられた時間で作成するため,骨組みとしての基調案を作成することになる。その作成はティーム・リーダーが行なうことになろうが,時にはティーム・メンバーの合議によって作成されることもあろう。いずれにしても単元指導計画の作成に時間的な余裕(1週間内外)をもたせることである。

 基調案は,教材の段階的配列,教師の役割・分担,時間配当,集団の形態などを示すものである。この基調案により,各メンバーは内容などの検討とともに,必要な資料を整え,分担内容を具体化したものを持ちよって,単元指導計画の作成に入ることになる。

 単元指導計画については,教授過程と併行して,教師の役割・分担,集団の形態を考えることになる。教師の役割・分担は,1時間単位,あるいは教授過程の段階ごとにTL(主となる教師),ST(専門的に協力する教師)の立場を受け持つことである。その立場は固定したものとは考えないようにし,ともに主体性を尊重するようにしたい。

 集団の形態については,大集団(2学級以上の合併),中集団(単位学級程度),小集団(1学級の1/2以上の分割)に再編成することである。教師の役割・分担とのかかわりあいは,一般的にみて,問題は握や「まとめ」の段階は,大集団による教師の協業が考えられるだろうし,理解や「たしかめ」をはかる段階では,持に個別化の配慮が必要なので,小集団による教師の分業が考えられるだろう。
 検証は,実験学校2校で行なったが,今回は,小規模少人数学級校における検証のあらましをあげることにした。


6.低学年体育の検証

(1) 研究のねらい

 この学年においては,各種の運動をとおして,調整力を養うとともに,運動をするときのきまりを守って,安全に運動を行なう能力,態度を養うことをめざしている。
 そのためには,ある程度の集団性を考えなければならない。本校のように,小規模少人数学級校においては,集団性を養い,行動力を高めるためには,2学年合併による授業をとり入れる必要があると思われる。
 研究のねらいを,具体的にあげると次のようになる。

 @ 学年のわくをはずした集団編成による授業過程を確かめる。
 A 教授過程で,段階的に教師の役割・分担を確かめる。

(2) 題材名 ふみこし,のりものごっこ。


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