研究紀要第9号 児童・生徒の社会認識に関する研究 男女交際・性意識についての考察 - 004/020page
女ひとりでもはいって劇をするのは,小・中・高と学年が進むにつれて女子は多くなるが,男子は中学生のときが最高で,友情の深まりがみられる時期ともいえよう。
推せんされたらすべきだという答も半数近くでてくるのは,学年が進むと人間としての視野と協調する態度がしぜん伸びてくると思われるが,反面ひやかしやうわさの対象がでて,自由な行動がそこなわれやすい。グループで劇をする意義や相手を尊ぶ自他敬愛の心と異性より学ぶ実践的な考え方を学ぶべきではなかろうか。せっかく両性の円満な人間関係を期待しているのに,それが感情的になったり,協調性を欠くようなことのないようにしたいものである。
〔調査4〕 学級会で,ドッチボールの仕方について話しあったとき,青山君と石田さんの意見が対立しました。あなたと石田さん,あるいは青山君とたいへん仲よしだったとしたらどうしますか。
小 学 校 中 学 校 高等学校 都市 農村 計 都市 農村 計 都市 農村 計 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女ア.男だからさんせい 10.0 3.2 5.6 0 7.7 1.8 9.0 8.3 2.4 2.3 6.5 6.0 9.8 2.0 8.0 0 8.8 1.0イ.なかよしの石田さんにさんせい 0 16.1 18.5 5.8 9.6 11.4 70.1 79.2 80.6 79.5 74.1 79.4 78.0 86.0 72.0 84.0 74.7 85.0ウ.よい意見にさんせい 74.0 72.6 64.8 78.8 69.2 75.4 19.4 11.1 14.6 15.9 17.5 12.9 7.3 6.0 20.0 16.0 14.3 11.0エ.わからない 16.0 8.1 11.1 15.4 13.5 11.4 1.5 1.4 2.4 2.3 1.9 1.7 4.9 6.0 0 0 2.2 3.0男だから女だから賛成という意見は,6.0〜8.0%の低率であるに対し,なかよしということで賛成という意見が小学校の9.6%から高校の85%と高率になることからも,友人関係がどんなに影響するかということが伺われる。よい意見に賛成は,小学生の69.2〜75.4%の高率に対し,高学年になるにつけ低率となり,学年的発達の差異がみられる。
中・高校生になると仲間や連帯意識へつながる状態なのか検討の必要があろう。それにしても意見の対立があったとき,よい意見に賛成するのではなく,男女の対立がそのまま賛成・反対では,物事のけじめがつくまい。もっと素直によい意見に同調,推進する心構えが必要であろう。
〔調査5〕 家の近くのベンチに,ひとりでぼんやりこしかけていたら,となりにすこし年上の感じのいい女(男)の子が,こしかけました。しばらくしてその子が話しかけてきました。そんなときあなたは,どうしますか。
(男子は女の子,女子は男の子と答える)
小 学 校 中 学 校 高等学校 都市 農村 計 都市 農村 計 都市 農村 計 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女ア.話しかけたら話しをしない 20.0 25.8 9.3 5.8 14.4 16.7 1.5 16.7 4.9 18.2 2.8 17.2 0 4.0 2.0 4.0 1.1 4.0イ.はずかしいからすぐはなれる 16.0 24.2 7.4 32.7 11.6 28.9 65.7 51.4 63.4 43.2 64.8 48.3 58.5 66.0 60.0 60.0 59.3 63.0ウ.あっさりと話す 44.0 27.4 46.3 21.2 45.2 24.6 16.4 22.2 12.2 20.4 14.8 21.6 4.9 28.0 12.0 36.0 8.8 32.0エ.すすんで話し友だちになる 20.0 22.6 37.0 40.3 28.8 30.8 16.4 9.7 19.5 18.2 17.6 12.9 36.6 2.0 26.0 0 30.8 1.0