研究紀要第9号 児童・生徒の社会認識に関する研究 男女交際・性意識についての考察 - 006/020page
性として発達するのを望むが,行動にあらわれるまでは,意外に親しい気持ちが育たないとあらわれないとも感じとっている。表には示さなかったが,都市,農村の意見のくいちがいはみられなかった。
〔調査8〕 つぎのことで男らしさ,女らしさは,必要かどうか(面接調査)
●服装 ●言動 ●性格 ●役割 (単位=%) 必要度について
小学校 中学校 高 校 男 女 男 女 男 女 服 装 90 90 55 75 90 15 言 動 100 100 75 100 50 45 性 格 70 60 70 50 80 0 役 割 65 75 80 55 90 15男らしさ,女らしさは,生れた環境と育てかたが絡みあって育つものである。現在の子どもたちの服装・言動・性格・役割の男らしさ,女らしさがどのように必要かの話しあいから,服装は,小学校より高校にいくにつれて,男女別の服装にあまりこだわらなくなっていくことがわかる。
女らしい,男らしい服装は,デザイン,色,形にでると答えているが,女が男らしい服装をし,とりちがえた場合,気持ちが悪いと批判している。常に清潔で美しく上品な服装は,多くの子が,必要だとしているようである。
ただし,場にあった服装と効用については,男女間の差異がみられた。言動に対しては,男らしさ,女らしさがありうると答えているし,乱暴なことばは男をあらわし,かえってそれが頼りがいのある行動となってほしいと語っている。小学生は「デレデレしない,フニャフニャしないことば」といっている。
特に女性には,やさしい親切なことばと行動を要求しているようで,高学年になると少しずつ仲間ことばが許容されてくる。性格としては,男に対しては,たくましく思いやりがあり,率直な表現を望んでいる。
女性に対しては,しとやかさとか,いたわり,荒っぽくないやさしさを要求している。
男と女の性格が同じではつまらないという答えがきかれた。男女の役割については,男は力しごとのたぐい,女は家庭の育児にともなう炊事,洗たく,そうじなどがあげられるというが,現代は協力していくことが先決で,「やってやれないしごとはない」といっている。高学年ほど,男は外,女は内の仕事と,割り切ることに抵抗を示し,男女の協力で自然に役割が決ることを望んでいる。反面,家庭のことを男がすると恥ずかしいという意見も一部にでて,親の考えが子に反映したいちめんも地域によりみられた。
〔調査9〕 あなたのクラスで男女交際のあり方について話しあったことがあると思いますが,そのようなとき,あなただったらどんな交際をしたいと思いますか。