研究紀要第10号 教育相談の事例に関する研究 教育相談の概要と面接・通信の相談事例 - 015/022page
(2) 福祉事業を志す子
@ 在籍状況
氏名 性 所属 M・M 女 W高1年A 問題の概況
ア,福祉事業にはどんなものあるか教えてもらいたい。
イ,そのために,進学をどうしたらよいか知りたい。
B 問題の起始経過
ア,高校1年の終わりをむかえて,進路について相談したい。(県民便りみて)
イ,福祉事業関係に従事したいと思っている。
ウ,福祉についての知識がないので教えてもらいたい。
C 指導の方針
ア,福祉事業についての説明と資料の提供をする。
イ,質問に答える。
D 指導の経過
ア,二つの質問に卒直に答える。
イ,資料11枚写しをとってあげる。
● 社会福祉を志すひとに
● 福祉厚生関係従事者の資格
● そのたの資料
ウ,結論として上級学校(大学)進学が前提であることを知り,進学コースを選びたいとの連絡があった。
エ,進学校の紹介依頼があったので,東北福祉大学(仙台)日本福祉事業大学(東京)日本福祉大学(名古屋)を紹介する。
※ 青少年赤十字(J・R・C)に入団していて,福祉社会を夢にえがき,理想実現の第一歩をふみだそうとする決意を激励する。
(3) 年上の人が好きになった子
@ 在籍状況
氏名 性 所属 Y・K 男 W中3年A 問題の概況
ア,年上の人と知りあって好きになってしまった。
イ,文通・面会しているがこれ以上進んではいけないのか悩んでいる。
B 問題の起始・経過
ア,去年の夏,ある女性と知りあった。
イ,文通している(姉さんとよぶ)
ウ,2月に2回会った。(好きになった。)
エ,教育相談を受ける。
● 年上ではいけないか(七つ上)
● 文通・面会以上はいけないか。
● 本当の愛とは何か。
C指導の方針
ア,男女交際の基本的態度を考えさせる。
イ,いまやるべきことについて助言する。
D指導の経過
ア,男女交際の基本的態度を検討する。
● 友情と恋愛を混同しない。
● お互いに人格を尊重する。
● 自分の考えを明確にする。
イ,友情の美しさを体験したのはよいがそれ以上のことはあと5〜7年たってから考えるようすすめる。
ウ,いまやるべきことについて助言する。
● 受験に全力を集中すること
● 姉さんに心配をかけないこと
● 相談にはいつでも応ずるので,心配な時は来所すること
※ 人生の中で大きな心の試練を受ける思春期の生徒をよく理解し,難関を克服する手段を示して励ますことが肝要である。