研究紀要第10号 教育相談の事例に関する研究 教育相談の概要と面接・通信の相談事例 - 016/022page

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4 身体・神経に関する事例

(1) 夜尿する子

意義 満3才以上になって夜,尿を不随意にもらす子
事例 夜尿(寝入りばな型,払暁型,深更型,不定型)する子
原因  
(1)
愛情に対する不満
(2)
心理的な緊張感
(3)
心理的発達の未熟
(4)
排せつのしつけ方
治療  
(1)
薬物療法,物理療法(専門医)
(2)
灸,漢方薬,食物療法(専門家)
(3)
心理療法(催眠,面接,遊戯)
(4)
生活訓練(排せつのしつけ)

@ 在籍状況
氏名
所属
Y・S
S小1年
I・0
H小3年
H・T
Y中2年

A 現症概要
 ア(Y・S)毎晩もらして困っている。
 イ(I・O)薬を服用しても治らない。
 ウ(H・T)週に4〜5回失敗してる。

B 指導資料の収集
 ア,夜尿症の事例についての視察
 イ,夜尿症の事例研究
 ウ,精神科医の講義と協議
 エ,両親または本人の実態はあく

C 指導の内容
 夜尿症についての相談は通信の場合が多くそれも親からの訴えが中心である。
 夜尿症は「夜間睡眠中に起こる無意の排尿で多くは偏食,爪かみ,指しゃぶり,かんしゃくなどの神経症的症状と同じにみられ,情緒的葛藤の結果と退行現象として生じることが多い。」といわれている。
 あちこちの病院や相談所にいってもなおらない重症の子どもたちなので,資料をもとに次のような助言をした。

1,親の愛に不満な子に夜尿が多いことについて考えてみること。
2,心理的な負担や圧迫を感じさせないこと。
3,時間をきめて起こすこと。
4,適度の運動をすすめること。

 これらのことを,ひとりひとりの現症に即して,具体的に話をした。

S子,薬の服用は医者の指示によること。
毎晩もらしても小言をいわないこと。ねる前に何もいわないこと。おとなになると夜尿はしないから心配ないことなど。

0子,三人のお医者さんから異常ないといわれ何よりでした。薬物療法は実に多く百をこえるということですが,これなら絶対だというものはありません。専門家の指示により,家族全体とのうるおいのある生活が肝要です。
(詳細略)

T子,当地のお医者さんがいうように,必ずなおるから焦らず様子をみることに専念してはいかがですか。

※ 現場の成功例があるが次回にゆずる。


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