研究紀要第10号 教育相談の事例に関する研究 教育相談の概要と面接・通信の相談事例 - 018/022page

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V 事例研究(2)通信相談

(1) 生理不順を心配する子

@ 在籍状況
氏名
学年
住所
A S
高2
D郡R町

A 在籍状況
 ア,現症の問題
  ● 生理不順
  ● 産科婦人科で診察してもらったらよいでしょうか(迷っている)
  ● 病名は何んでしょうか。
 イ,現症の起始・経過
  ● 初潮は中学3年の6月
  ● 生理は,年2〜3回
  ● 春先になると鼻血が多量に出る。
   (洗顔・入浴・授業中)
  ● 秋・冬時鼻血が出ないと欲求不満を感ずる。
  ● 夏におりものがあった。
 ウ,処置と効果
  ● 保健の先生にきく(まだ若いから大丈夫よといわれた)
  ● 将来子供が生めないのではないかと心配した。
  ● 母親に相談する。(病院にいくとお金がかかるから行くことないだろうといわれた。

B 指導資料の収集
 ア,女子所員にきく。
 イ,W医院女医に,電話で助言を受ける。
 ウ,返信資料をまとめる。

C 返信の内容

お手紙拝見いたしました。生理不順でお困りとのこと,お気の毒に存じます。
生理不順,春先の鼻血,欲求不満,保健の先生や母の言,あなたの迷いや不安をきいて,女の先生や,女医さんにお伺いしたところ
1,生理不順の子はたまたまあるとのことです。
2,鼻血が出るのは,生理の代償ではなかろうか。
3,若くても心配な時は,ひとりで悩んでいないで専門医をたずねましょう。
4,年2〜3回の生理の人が結婚して,子どもさんのできた例があるそうです。

さて,結論ですが

1,からだの変調がみられるときは,保健の先生や母親に相談することはたいせつなことです。これからも気軽に相談してください。
2,それでも不安な時は,専門医に相談することです。あなたの悩みはいっぺんに解消することでしょう。
3,あなたの場合は,内診するまでもないと思われるし,安心して専門医をたずねて,相談した方がよいと思われます。(女医さんのお話)
4,あなたの場合は,経費も保険証もきくとのことだし,母親によく相談することです。
本当に,からだについて悩み,心配な時は,お金のことなどいっていられないのではないでしょうか。

 以上のような回答をおくったが,もしまだ不安がのこっていたら,またお便りをくれるよう付言しておいた。

※ その後の通信がないところをみると一応安心したのだろうか。
 女医さんの親切なご指導,ご助言が心にのこる。


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