研究紀要第11号 学習指導改善に関する研究 理科実験器具の作成 - 001/024page
1.フーコーの振り子の簡易実験装置
1.はじめに
フーコーの振リ子の実験は大規模な実験だけにかなりの施設を必要とする。しかし,室内においても,かなり効率のよい実験ができることがわかったので紹介する。
2.装置の華備
(1) 学校所有のおう面鏡,鉄製スタンド,懐中電灯,模造紙1枚を準備する。
(2) これらを図1のようにセットする,この場合懐中電灯のできるだけ中央に穴をあけ,糸を通し,天井のヒートンに吊す。3.実験の方法
(1) 図1のようにセットし,電灯をともして,これを振らせる。この場合,光はおう面鏡で反射して,天井に円を書いた(図3)模造紙にうつしだされる。
(2) 電灯の振り方は,図3のGの中心からできるだけGA=GBになるようにする。
(Gをいつも正確に横切り振ることは不可能であるので,やや楕円運動になる。)
(3) 図3の円を横切るDCをチェックし,さらに約10分後(10分位が適当〉にEF(往復の2点)をチェックする。
(4) DC,EFの中点をそれぞれとり,それが10分間における偏向方位,および偏向角と考える。数度実験をくり返し,その平均値をとる。4.おわりに
割合い簡単に実験できる(校内にある器具で,しかも場所をあまりとらない)ので,中・高校で大いに利用されたい。細部については教育センターに問いあわせられたい。
図1 振り子,凹面鏡と天井のスクリーンの関係
図2 懐中電灯,凹面鏡を用いたフーコー振り子の実験
図3 振り子(豆電球の像)の運動の軌跡,天井の模造紙に記録されたもの