研究紀要第11号 学習指導改善に関する研究 理科実験器具の作成 - 009/024page

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7.無 菌 箱

無菌箱

1.製作のねらい

 微生物(おもに菌類,細菌類)を分離したり,培養したりする場合,またはニワトリの卵の殼の開窓手術の場合などに,雑菌の混入を防ぐためには無菌箱を用いたほうがよい。
 市版品は,四面,天井ともにガラス張りの箱で,中に殺菌灯がつけてあるものがあり,高価である。したがってグループ1個という設備は困難である。
 そこで定価に手がるに製作できて,構造上使い易く,しかも効率のよい箱ということで製作したのがこの無菌箱である。

2.製作の方法

 おもな材料
○板(ラワン等) 30×200×1.5(p) 1枚
○ベニヤ板    40×50×0.3(p)  1〃
○ガラス止めわく木  0.5×0.5×100(p) 3本
○ガラス,ちょうつがい,クギ等

立体図  平面図  側面図


○製作で特に注意すること
 前面a,bの部分を切り離すとノコギリの厚さだけすき間ができるので,Aの板は縦横とも3oほど長く切りとり,a,bを切り離して組みたてるときに大きさを調整する。

3.使用法

 左右の小ドアを閉めてから天井のふたを開け,0.1%昇こう液を噴霧器で吹きつけるか,同液を浸した布で内壁をふいて,20〜30分間ぐらい密閉静置し,箱内の微生物を死滅させて無菌状態にする。(昇こう液の扱い方には,その毒性を考慮してじゅうぶんに注意する)
 つぎに消毒した器具や手を,左右小ドアから入れて,ガラスをとおして見ながら箱の中で作業をする。
 ニワトリの卵殻の開窓手術の場合は,卵殼器具,手などを逆性石けん 100倍液で洗い,消毒した箱の中で作業をする。手術は手ばやく行なえばよいが,時間がかかる場合は,箱の中を保温するため,アルコールランプを小さくともしておくのもよい。


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