研究紀要第11号 学習指導改善に関する研究 理科実験器具の作成 - 010/024page
8.気体分子運動モデル実験器
1.製作のねらい
この装置は,鋼球が分子に相当すると想定し,気体の巨視的現象を分子の立場から考え,つぎの諸性質を実験する。
○ 温度と質量が一定の時の圧力と体積の関係をしらべる。
○ 温度と圧力が一定の時の質量と体積の関係をしらべる。
○ 質量と圧力が一定の時の温度と体積の関係をしらべる。
○ ブラウン運動のモデル的観察をする。
したがって,気体の状態変数と装置各部の対応を,つぎのように考えた。・ 気体の分子…鋼球
・ 気体の質量…鋼球の数
・ 気体の温度…ピストンの速度
・ 気体の体積…フロート板とピストン間の距離・気体の圧カ…フロート全体の重さ2.製作の方法
(1) 材料
乾電池(単1),電池ホルダー,磁石玉,1Pターミナル(小),ミノムシクリップ(小),ニューム管(口径2o,長さ200o),コルタ栓(口径26o,長さ22o),硬質ガラス管(口径30o,長さ200o),マブチモーター#56,ニクロム線(100W),台木(200o×90o×40o),ベニヤ板(50o×90o×310o〉,アルミ板(モーター受金1o×30o×150o,1枚ガラス管受金 0.5o×15o×15o2枚),ビニールテープ,ビス・ナット,釘,エンビ板(3p×3o×30o,3枚),鋼球(直径2o,100個),座金(5個),コード線(赤・青各150o),発泡スチロール球(直径10o,4個)
(2) 製作の手順
@ フロートをつくる。
エンビ板を模型用車輪の大きさにつくり,接着剤(V、Lボンド)をつけ,アルミニウム管をさしこむ。固定するまで絶対にうごかさない。
A ピストルと鋼球あつめをつくる。
エンビ板を模型用車輪の大きさにつくり,針金(口径1.2o,長さ150o)の所定の長さに加工してさしこむ。
B 受金をつくる。
アルミ板を左右対になるようにおりまげてつくる。
(ガラス管受金:0.5o×15o×150o…2枚 モーター受金:1o×30o×150o…1枚)
C @,A,Bを完成したら,装置の組み立てをする。(図1参照のこと)(3) 製作上の留意点
@ フロートの全重量と座金1個の重さが等しくなるようにつくる。
A ピストンがシリンダー(ガラス管)内で,円滑な往復運動ができるようにする。
B モーターに要する起電力は1.5ボルトでもよいが,もし,弱ければ3ボルトにしてもよい。
C ピストンの振動数を測定するにはストロボ装置を利用するとよい。