研究紀要第11号 学習指導改善に関する研究 理科実験器具の作成 - 021/024page

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17. エネルギー実験器

エネルギー実験器

1.製作のねらい

 位置エネルギーが落下する物体の高さと,重さに比例することを調べるため,杭打ち装置と通称されるエネルギー実験器が市販されている。しかしこれは運動のエネルギー測定には利用できないし,しかも高価である。そこで簡単に作れ,位置エネルギー運動のエネルギーの両方に使えるエネルギー実験器を考案した。

図-1

2.つくり方

〈図1〉のようなものを2つ作り,〈図2〉のように4本のボルトで組合わせ,〈図3〉のような厚板をはさんだものである。

図-2・図-3

3.使用法

 厚板のスケールの0目盛がXに一致するように装置する。厚板を自動上皿ばかりに押しつけさかさに押し込むとき,動まさつが400〜500gになるように表面の4つのナットを一様に調節しておく。

(1) 位置エネルギーを調べる

 写真のようにPまたはQの部分をスタンドに支え,高さを変えておもりをおとす。おもり高さと,厚板が押し込まれた距離(おもりが落下してした仕事)との関係を調ベグラフ化する。(正しくは,おもりの最初の位置から,厚板を押して静止するまでの距離を高さとしなければならない。)概ね直線となる筈である。

(2) 運動のエネルギーを調べる。

 PまたはQで机の面に固定し,台車を衝突させ,厚板の押し込まれる距離を測定する。台車の速度は台車に引かせたテープを記録タイマーに通して測定する。交流式タイマーでは5打間隔の距離を1/10秒間に進んだ距離と考えればよいわけである。
 台車の速度を横軸,厚板の押し込まれた距離(運動のエネルギー)を縦軸にとりグラフを作る二次曲線なり,運動のエネルギーが距離の2乗に比例することがわかる。


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