研究紀要第12号 学校経営改善に関する研究 理論と事実編 - 003/016page

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表4 目標設定の根拠
(%)
項    目
小学校
中学校
高 校
1 前年度の反省・実績
34
28
44
2 県・市町村の目標
24
26
31
3 地域性や実態
21
23
7
4 校長の理念
15
18
13
5 その他
6
5
5

 「その他」は,関係法令,創立当時からの理念,教師集団の意向を中心とするものである。
 前年度の反省・実績を中心とするならば,その時期と過程が問題になり,県・市町村の目標,地域性や実態を中心とすれば,社会性,時代性などが問題になろう。いずれにしても年々改善されることになり,その施策が必要になる。そのためには教育目標達成の年次計画をたて,単年度の重点(事項)目標を決めるのも一方法であり,また,具体的指標の事実を発展的に換えることも考えられよう。
 次に教育目標(中学校)の1例と年度重点(事項)目標との関係を考えてみることにする。

表5 教育目標と年度重点(事項)目標との関係
教  育  目  標
1 品位のある性格と,健康な身体をつくる
2 自覚を高め,進んで自分の務めを果たす
3 互に尊敬し,協力して楽しい生活をする

重点目標
具  体  事  項
1 自然に親しみ,活発に運動をする
2 素直に考え,よく行動にうつす
3 礼儀正しく,他人のためにも働く
1 積極的に自分の務めや勉学に励む
2 見通しを立て継続的に最後までやりとげる
3 筋道のとおった考え方でくふうしながら進める
1 共同生活を理解し,よく協力する
2 自分の長所・短所をみつめ,集団の中で生かす
3 集団の一員として協調し,個性を伸ばす

 教育目標を年次計画的に達成することにしあらかじめ具体事項を配列し,あるいは具体指標を用意しておき,前年度の反省.教委の要望などにより,その年度の重点目標を決めることが考えられよう。こうすることにより教育目標に筋をとおすとともに新鮮味を与え効果的な達成が期待されると思われる。

(3) 教育目標の反省検討

 教育目標は,学校生活の全領域をとおして具現化されるが,反省検討は各領域ごとに行なわれ,達成をめざして構想をねり,方法・技術のくふうを重ねている。その反省検討の時期と処理はどうなっているか,次のような結果を追跡検討してみることにした。

表6 教育目標の反省検討の時期
(%)
項    目
小学校
中学校
高 校
1 毎学期ごとに実施する
49
50
1
2 年度末に実施する
50
44
98
3 その他
1
6
1

 「その他」については,月ごと,あるいは週ごと反省検討しているということである。年度末の実施は,教育目標の改善・設定との関係から総括的な反省検討と受け取られているようである。それで考えられることは,教育目標は年度初めに改善・設定され,年度内は固定的であるといった立場をとる場合と,達成度合により年度内も改善的な取り扱いをする立場をとる場合では異なると思われる。前者は年度初めの総括的な改善になり,後者は部分的な改善の積み重ねの改善になる。どちらをとるかは,学校種別,実情などにより異なるので,一概にいうことはできないが「実践過程をどう扱うか」が問題とされよう。

表7 教育目標実践の過程

教育目標実践の過程


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