研究紀要第12号 学校経営改善に関する研究 理論と事実編 - 004/016page
日々の実践において,反省を積み重ねることになるが,改善を前提としての検討は,学期ごとに行なうのが適当と、思われる。具体事項(指標)は換えないにしても方法・技術などを再吟味し,より達成度合を高める配慮が必要であろう。
(4) 教育目標の設定過程
教育目標の原案・審議・決定諮間の関連過程をみると次のようである。
@ 小学校
ア 校長の原案提示−職貝会議の審議−校長が決定
イ 校長の理念指示−委員会の原案提示−職員会議で審議決定
A 中学校
ア 校長の原案提示−委員会の審議−職員会議の審議−校長が決定
イ 校長の理念指示−委員会の原案提出−職員会議の審議−校長が決定
B 高等学校
ア 委員会の原案提示−職員会議の審議−校長が決定
イ 校長の理念指示−委員会の原案提示−職員会議の審議・決定「職員会議の決定」については,会議による決定という意味のことのみでなく,職員会議の性格上,校長が主宰し,その場にのぞんでいるので,審議過程に意図が反映し,その結果は校長の決定ともみられるようである。
表8 教育目標設定の過程
そこで取り上げられることは,校長の経営方針(教育の理念・動向,要望なども含めて)の浸透と教職員の意,思の反映をどうして徹底させるかということになろう。そのためには,原案提示の段階において,校長の理念について,その裏付けとしての具体事実を各人あるいは係り集団で分担用意させることが大切と思われる。こうすることにより,職員会議の審議は,具体事実を予定しての審議なので意欲が高まり,学年・学級段階での具現化が容易になると思われる。その関係を示すと次のようになる。
4.教授・学習組織
学校組織を教授・学習組織,事務組織,運営組織に大別し,その各系列の機能化をはかるとともに相互作用のあり方を追求する。
(1) 教授・学習組織の改善方向
教授・学習組織は,児童・生徒の指導に直接関係する活動の体系であり,学習指導と生徒指導の側面をもつものであるが,相互によくかみ合わなければ成果を期待することができない。
教授・学習組織の改善について,現場においては,どのような配慮をしているか,または努力しようとしているか,次のような項目で追跡検討をしてみることにした。@ 学年・学年団,あるいは教科面の協力・分担の組織体制を強化する。−協力・分担組織
A 学習指導と生徒指導の一体的な組織体制を強化する。−学習・生徒指導の一体化
B 組織的に役割分担を明確にし,各教師の特性の発揮をはかる。−教師の特性の発揮
C 学習集団を弾力的に取り扱い,個別化集団化の配慮をする。−個別化・集団化
D 教育機器を導入する教授過程とするための組織体制を強化する。−教育機器の導入これらの改善項目は,相互に関係し合うものであり,さらに改善項目が同じであっても学校規模,実情などにより差異のあるのは当然である、しかしここでは,改善の主体をどこにおいているか,その傾向を確かめることにした。その結果は次のようである。