研究紀要第12号 学校経営改善に関する研究 理論と事実編 - 005/016page
表9 教授・学習組織の改善
@ 小学校
小学校においては,「組織的に役割分担を明確にし,各教師の特性の発揮をはかる」と,「学年・学年団,あるいは教科団の協力,分担の組織体制を強化する」が改善の中心とうけとめられ,「学年・学年団組織の強化による役割分担活動のあり方」が考えられよう。A 中・高等学校
中・高等学校においては,「学習指導と生徒指導の一体的な組織体制を強化する」と,「組織的に役割分担を明確にし,各教師の特性の発揮をはかる」ことにあるとみることができよう。そのために「指導組織体制の強化と役割分担活動のあり方」は,どうしたらよいかということになろう。
組織体制は,その学校(全体)としての体制であるのは当然のことであるが,組織体制をとおしての活動を期待する以上,推進基盤としての単位集団が必要になろう。小学校においては,学年・学年団が適切と考えられるが,中・高等学校においては,むしろ教科団が適切のように思われる。
この単位集団で責任を担当し,各構成員は担当内容の役割を分担することが考えられよう。(2) 教授・学習組織の体系
教授・学習組織の再検討として,その方式・構成を教師(教授組織)の面からと,児童・生徒(学習組織)の面から考えてみると次のようである。
表10 学習指導の方式
方 式 形 態1 学級担任 全科担任
2 教科担任 3 教授教授 協力分担
複数による教科担任
複数授業
表11 生徒指導の方式
方 式 形 態1 学級担任 学級担任による専任 2 教科担任 組主任による専任 3 協力教授 構成員による共同責任での役割分担 学級担任方式,教科担任方式は各学校段階において,児童・生徒の心身の発達段階に応ずる組織体制として定着しているが,第三の教育改革にせまられている現在,将来の社会人として必要とされている人間性,主体性,創造性等の基礎資質の涵養のための完全学習や学習指導と生徒指導の一体化などは,当面の課題と思われる。こうした観点から協力教授方式の検討,そして採用に期待がかけられよう。
表12 集団の取り扱い
編 成 場 面1 既成集団 学級集団を対象とした
学級活動場面
生徒指導場面2 再編成集団 教科の性格・題材などに応じた弾力的な取り扱いとした
大・中・小集団場面
合併集団 能力別集団 分割集団