研究紀要第12号 学校経営改善に関する研究 理論と事実編 - 007/016page
教科主任の役割は,カリキュラムの管理と教科指導の助言・相談が主であり,学年主任の役割は,学年内の教育活動の調整と生徒指導や学年行事の計画が主である。いずれの立場も学校経営の推進的な役割を負うものであり,学校組織上の位置づけを明確にする必要があろう。
B 授業案の作成
授業案の作成について,推進の中心はどうであるか,その状況は次のようである。
表15 授業案の作成 (%)
事 項 小学校 中学校 高 校1 各人の創意・工夫による 49 37 312 教科部会で作成する 14 47 563 学年会で作成する 29 3 ―4 学年団で作成する 6 3 ―5 現職教育委員会で作成する 1 ― ―6 教務部で作成する ― 9 137 その他 1 1 ―授業案の作成は,授業者みずからが展開すべきものであるが,児童・生徒の意識過程の多様性の現状に対処して,完全学習をめざそうとすれば,どうしたらよいかが問題になろう。
従来の授業案は,週計画(週案)は別として,1単位時間を対象に作成しているのが普通である。
これは理想であるが,毎時間の授業を展開するのは不可能に近い。そうだとすれば,その対策を考えなければならないだろう。それで単元あるいは題材展開(授業)案が考えられよう。こうすることにより系統性や関連的発展性をもたせる授業が期待されるばかりでなく,協力的な作成も容易にし,授業案作成の改善にもなると思われる。協力作成については,ティーム・ワークの単位が必要になり,学年会,あるいは学年団会,または教科部会があげられるだろう。単元展開案の1例をあげると次のようである。
単元展開案 4年 体育 器械運動(3時間取り扱い)
とび箱(閉脚とび越し)とダンス(フォークダンス)
目 標 学習内容 時間 教授過程 準備 一
時
・調整力を養い運動がスムーズに
おこなえるようにさせる
・おどり方を知り,二拍子のバランス,
ステップになれさせる
・助走して両足で
1.はじめの話し合い
2.体操
・調整力柔軟性をつける運動
3.フォークダンス
・きつねとがちょう
4.閉脚とび
5
10
15
101.全体学習
(1) 学習内容の説明
体操
ダンス
閉脚とび越し
2.全体指導
(1) 運動方法の説明
リズム歩き
背おいジャンケン遊び
うさぎとび
なわとび
3.全体指導
(1) きつねとがちょうの踊りの概要説明
(2) バランス,ステップの練習をする
4.全体指導
ピアノ
タンブリン
短なわ
とび箱