研究紀要第12号 学校経営改善に関する研究 理論と事実編 - 010/016page

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D 小・中・高校間の連携内容
 小・中・高校間の連携において,特に必要と思われる内容について追跡検討してみると次のようである。

表17 小・中・高校間の連携内容
小・中・高校間の連携内容


 小・中・高校をとおして生徒指導が中心であることは当然と思われる。次が小学校においては,交通安全指導,中学校においては,教科指導上の意見交換,高校においては,進路指導があげられている。このことは学校段階としての立場を明らかにしているものと思われる。これらのことは,生徒指導における具体的内容ともみられるので,生徒指導を中心として,十分に連絡提携する必要があると思われる。

5.事務組織

 事務組織とは,直接的な教育活動を支え推進するため,補助的手段としての役割をもつ分担業務の構造と受けとめることにする。こうした考え方に立てば,教授・学習組織の系列上で事務組織の役割を調整するのが望ましいと思われるが,一般的には適材適所とか,一人一役といった観点から組織構成の単位を個人においているようである。
 そこで業務の分担において,組織体としてどのような体制がよいだろうかを検討してみることにした。

(1) 校務分担上の配慮

 校務の分担にあたって,どのような面に配慮しているか,次のような面から追跡検討してみることにした。

@ 内容面
 ア 部や係の内容を精選し,簡素化をはかる。―精選簡素化
 イ 一人一役をたてまえとし,適材適所の配置をする。―適材適所の配置

A 組織面
 ウ 学校組織体としての機能発揮をはかる。―組織機能の発揮
 エ 学年,あるいは学年団を単位として協力・分担する。―学年単位の分担

B 個的な面
 オ 各部や係の任務を明確にし,その遂行に独自性をもたせる。―各部の独自性
 カ 各自の特性を生かした所属配置により,校務遂行に意欲をもたせる。―校務意欲

表18 校務分担上の配慮
(%)
事  項
小学校
中学校
高 校
1 組織機能の発揮をはかる
35
41
35
2 適材適所の配置をする
25
17
33
3 精選簡素化をはかる
27
23
15
4 各部に独自性をもたせる
5
13
11
5 校務に意欲をもたせる
7
4
6
6 学年単位の分担をする
1
2

 小・中・高校をとおして,学校組織体としての機能発揮をはかることが上位をしめている。その具体的内容としては,組織構成員としての自覚と処理規程の明確化ということであり,直接的な組織構成上からの「仕組みとしての機能発揮」にまでおよんでいないようである。

(2) 校務分担の遂行

 分担校務の遂行について,どのような面に配慮しているか,また,その過程で反省させられることはどんなことか次のような面から追跡検討して


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