研究紀要第13号 教授組織に関する研究 理論と実践編 - 002/019page
(2) 小規模少人数学級校
「小規模少人数学級校の教育活動における協力体制での役割分担とその活動
小規模少人数校においては,教科の性質・内容によっては,集団環境構成面から本質的な授業の展開に困難を感ずる領域がある。その障害除去のため,2学年合併により適正集団とし,一部内容の授業を組織的に実施する。このことは複式授業の解消に逆行するようであるが,複式授業の通年性に対して,適正集団による一部内容の授業という面で異なる。
また,学習はひとりひとりの児童に成立させることを建て前とし,教師のティーム・ワークにより,各人の自己調整の学習を強化することを前提としている。@ 具体的なねらい
ア、学年のわくをはずした児童集団の再編成による教授過程を確かめる。
イ、段階的な教授過程の中で教師の役割分担と,その活動のあり方を確かめる。A 実施教科
ア、体育,音楽,図工の一部合併授業を全学年団で行なう。
イ、理科の一部複数授業を全学年で行なう。B 実験学校
安達町立下川崎小学校4.学校組織上からの教授・学習組織
学校組織のとらえ方は,いろいろあろうが教授・学習組織,運営組織,事務組織とすることができよう。教授・学習組織は,児童・生徒の指導に直接関係する活動体系であり,運営組織は,職員会議・各種委員会などの関連的な構造である。事務組織は,従来の分担業務の「わく組み」になるだろう。各組織は機能的な活動ができるよう内的秩序が整えられるとともに,構成単位に共通性が必要である。その単位としては,学年・あるいは学年団,または研究部が考えられよう。各組織間の統制は,教授・学習組織が基盤となって,委員会の構成や事務分担が行なわれるようになるだろう。こうした構想をとることは,あらゆる機会と場において,役割分担の活動や業務を関連的に遂行できるようにするためである。
次に中規模(12〜18学級)校の組織の一例をあげる。5.学校組織機構
(1) 普通規模校
「協力体制の教授・学習組織」の実験学校の例をあげると次のようである。
(2) 小規模少人数校
「小規模少人数校の教授・学級組織」の例をあげると次のようである。