研究紀要第13号 教授組織に関する研究 理論と実践編 - 003/019page

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6.協力組織活動

 計画し,実践し,そして評価のサイクル的な教育活動を学年,あるいは学年団,または研究部を基盤として,協力しながら行なうことである。

 計画,すなわち単元指導計画は,学級担任による教育の長所を残しながら,教師の特性を生かした役割分担により,集大成の教育効果を期待できるようにする。
 その作成は,勤務時間内に行なわれるようにしなければならない。そのためには,各学級の週教科時数配当にさきだって,学年・あるいは学年団教師の研修時間を一定時に勤務表に位置づけられなければならない。

 教材構成にあたっての教材研究は,制約された時間内で,特に協力して行なうことから,基本的な構想について,共通理解とその徹底をはかっておく必要がある。
 その一例をあげれば,教授・学習目標を細目標として提示し,次に細目標の達成系列上から内容を段階(過程)的に整理し,その相互間の関連性を確かめ,各細目標ごとに評価項目を対応するよう教材構成をすることである。

 教材構成と平行して,教師の役割分担,集団の形態を考えることになる。教師の役割分担とは,1単位時間,あるいは教授過程の段階ごとに主となる教師,専門的に援助する教師として立場を受けもつことである。その立場は固定したものと考えないようにし,ともに主体性を尊重するよう配慮する。

 集団の形態については,大集団(2学級以上の合併),中集団(単位学級程度),小集団(1学級の1/2以上の分割)に再編成することである。教師の役割分担とのかかわりあいは,一般的にみて,問題は握や「まとめ」の段階は,大集団による教師の協業が考えられようし,理解や検証の段階では,個別化の配慮が必要なので,小集団による教師の分業が考えられよう。
 以上の構想を図示すると次のようになる。

協力組織活動

(1) 基調案の作成

 教材研究が基本構想により,共通理解のもとに進められて,単元指導計画を作成することになるが,効率的な作成のため,骨組みとしての基調案を作成することとなる。その作成はティームーリーダーが行なうのであるが時にはティーム・メンバーの合議によって作成されることもあろう。いずれにしても単元指導計画の作成について,時間的な余裕(1週間内外)をもたせることである。

 基調案は,教材の段階的な配列,教師の役割分担,時間配当,集団の形態などを示すものである。この基調案により,各メンバーは内容などの検討とともに必要な資料を整え,分担内容を具体化したものをもちよって,単元指導計画の作成に入ることになる。

(2) 協力評価

 教師の協力体制により単元指導計画を作成し,ティーム・ワークにより分業・協業し,学級集団の弾力的な取り扱いでの教育活動の評価の一例をあげることにする。

@ 教材構成
 教材構成については,細目標と内容との関連や,教師の役割分担,学習指導形態について配慮する。


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