研究紀要第13号 教授組織に関する研究 理論と実践編 - 007/019page

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9.普通規模校における実践

(1) 中学年体育科の検証

@ 研究のねらい

 生活環境や経験の相違から子どもたちの素質はひとりひとり違う。特に器械運動の教材は個人差が著しく,技能の優劣が,一目でわかる運動である。そのためできるものにとってはすこぶる興味をもつが,できないものにとってはますますいやになり,興味をなくしていく傾向がある。また,高さや長さがあるとび箱をとび越すことは相当の抵抗になり,恐怖心がもたれやすい。それで易から難へ,低いものから高いものへ段階をふんで指導することが大切である。

 したがって子どもの実態により能力に応じた集団に再編成し,教師がそれぞれ役割分担し,その集団に合った計画的な指導を協力的に行なう必要がある。
 こうした考えから集団編成のあり方,個人差に応じた内容構成と教授過程のとらえ方を,教師の役割分担とのかかわり合いの中で確かめることにする。

A 3年の体育

ア、題材名  とび箱(腕立てとび越し)

 (ア) 開脚腕立てとび越しは、助走,踏み切り,着地,手のつきはなし,安全な着地の基本動作を身につけたうえで一連の動作がリズミカルにできるようにさせる。

 (イ) 腕,脚,胴,支持,跳の運動を一連のものとしてできるようにさせる。

イ、題材構成

 (ア) 目 標

項目
体     操
とび箱(腕立てとび越し)




1.跳躍運動によって,瞬発力,調整力を養う
2.部分的運動によって,からだの柔軟さを増させる
3.簡単な体操を行なわせ,からだを部分的・全身的に極限まで動かすことができるようにさせる
1.調整力(協応性,巧ち性)を養う
2.筋力(跳躍力)を強めさせる
3.助走−両足踏み切りで40〜50pくらいのとび箱を腕立てとび越しでとぶことができるようにさせる

 運動の要領を理解させ,まじめに運動する態度を育てる 友だちの技能を見る態度を育てる
健康・安全
 運動する場所を整備し,安全に用具を配置できるようにさせる 運動後のからだの清潔に気をつけさせる

 (イ) 基調案

区分
内   容
形態
役割分担




○体操
 ・いくつかの運動を組み合わせ,一連の運動として方法を理解する


○腕立てとび越し
 ・いろいろなとび方で腕立てとび越しをする

○腕立て馬のりや開脚の腕立てとび越しをする
大集団




大集団

小集団
T1…体操指導
T2…用具の配置
   OHPの操作
   個別指導
T1…運動の説明
   個別指導
T2…とび越せない
   児童を選び
   だしての個別
   指導

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