研究紀要第13号 教授組織に関する研究 理論と実践編 - 010/019page

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(ア) 協力教材研究は,系統と段階がより明確になり,協力・分担等立案に適正を期することができた。
(イ) 技能段階カードの作成は,各段階のポイントをおさえることができ,教師の役割分担を一層明確にした。
(ウ) 体操領域(支持運動)を「腕立て開脚とび」の補強運動を兼ね,セット化して取り扱ったことは効果的であったように思われる。
(エ) 程度別グループ編成は,たがいに意欲的になり,いろいろな練習方法を考えだし,個々の能力を効果的に伸したようであり,過程構成が適切であったように思われる。
(オ) 各グループの要員が,単独の場合よりも多くなるため,より高い技能をみることが可能であり,また,技能の劣ったものの劣等感の解消にもなったように思われる。

 ウ、教師の役割分担

(ア) 教師の特性を生かすことによって,バランスのとれた教材領域の組み合わせが可能であった。
(イ) 2教師の話し合いにより,個々の能力に応じた客観的評価を容易にした。
(ウ) 学習用具の点検,準備・整理まで,いきとどいた指導ができ満足感をもつことができた。

 エ、集団の再編成

(ア) 程度別学習集団の編成により,上位グループはより高い技能への発展的練習が可能となり,下位グループは低次な練習方法も取り入れて運動量をまし興味をもって学習ができたようである。
(イ) 大集団学習の形態をとることによって,ひとりひとりの志気をもりたて,充足感をもたせたようである。
(ウ) 集団の再編成は,第2次と第5次に実施したが,向上の度合によって違う児童の安定感,向上心を考え時間単位の編成替えがよいと思われた。

 オ、児童の反応

 基本的な集団意識・行動が身についたことにもよるが,一般に合併体育授業に関心と期待を示している。

(2) 高学年理科の検証

@ 研究のねらい
 理科学習の本質的な授業の展開として,資料の提示を主体とした,教授,発問の同時的な成立にあるとする。資料の提示には,教育機器の導入が考えられ,教授,発問との関係において,「間のび」をなくすることである。それには複数授業の採用により,教授過程を吟味し,教師の役割分担を的確にすることである。そのねらいを具体的にあげると次のようである。

ア、教授過程の各段階における,教師の役割分担のあり方を確かめる。
イ、教授過程での資料の提示,教授,発問の体系的なあり方を確かめる。

 そのための教授過程を,問題意識をもつ−問題解決の構想をたてる−実験観察により確かめる−結論を問題と対比する−発展的意欲をもつ,の5つの段階とする。

A 6年の理科
 ア、単元名 ものの燃え方

 イ、単元構成

  (ア) 目 標
ア ろうそくが燃焼すると,ろうと酸素が作用し,水・二酸化炭素ができたり,植物体を乾溜すると,水や燃える気体等がでて,あとに炭素が残ることから,物が燃えたり高温で熱せられたりすると,その物の質が変化することを理解させる。
イ 物が燃える時にでる炎は,気体が燃えているのであり,炎は部分によって色,明るさ,温度に違いがあることを理解させる。
ウ 物が燃える時の発熱・発光の仕方は,電流による発熱・発光の仕方と違うことを理解させる。
エ 燃焼,対流,まさつ,打撃などによって物が熱を生ずることを理解させる。


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